99 【練習村】勢いで、RP、しよう2
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― 前夜:自室 ―
[気付くと、美瑠は自室にいた。 口の中が苦く、おそらく幾度となく吐いたのだろうと思った。
目が痛む。 頬だけでなく髪も濡れている。 鏡を覗きこむと、目は赤く瞼は腫れ、紙はぼさぼさでひどくみっともない姿が浮かんだ。]
(40) 2013/10/22(Tue) 18時半頃
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[頭の中が霞がかったようにすっきりしない。 浮かんでくるのはぶれる視界と階段を降りる自分の足。
視界がぐるりと反転する。 夕陽を受けて、長く伸びる影は僅かに揺れていた。 その影の先、それは ]
(41) 2013/10/22(Tue) 19時頃
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ぁ… 、あ ぁ、
(42) 2013/10/22(Tue) 19時頃
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[血のような赤の夕陽に溶けるよう風になびく金糸。 その髪を持っている人間は、この村には一人しか居らず、]
フ、 レドリ…カ…?
[場所が変わる。 美瑠の記憶にかかった靄はいつの間にか晴れ、彼女には屋上から落ちるフレドリカの頭頂部と首に括り付けられた縄がぎしりと鳴る音を聞いた。]
(43) 2013/10/22(Tue) 19時頃
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[次の瞬間発された叫び、自分でも何を叫んだのか、言葉になっていたのか、それすらわからなかった。
頭を掻き毟りながら、息をすることを忘れたかのように美瑠はごめんなさいごめんなさいと呟いた。 爪の間に頭皮がつまり、それが血の色で僅かに汚れる。 指の間に長い髪がはさまり、床に落ちた。]
(44) 2013/10/22(Tue) 19時頃
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なんで? なんで?
[何故こんな状況に自分が陥っているのかが全く分からない。 処刑とは何だろう、狐の生贄とは何だろう。 生まれてずっとこの村で育ってきたが、そんな話は聞いたことが無かった。
幾ら考えても、美瑠にはそれがわからなかった。 僅かに開いた窓の隙間から香の匂いが入ってくる。 その匂いがひどく不快で、美瑠は窓を閉めた。]
(45) 2013/10/22(Tue) 19時頃
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[裏切り者とは何だろう。 処刑という名の殺人をやめさせる為に動いている人間がいるのなら、それは正気を保った人間なのだろうか。 それとも、他に悪さをする人間なのだろうか。
戸部はどうなったのだろう。 裏切り者に連れられて行った戸部は、もしかしたらどこか安全な場所に連れていかれたりしたのだろうか。]
(46) 2013/10/22(Tue) 19時頃
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[昨日、美瑠は自分が処刑対象の2番目の候補にあがった事を思い出し、身体を震わせた。
このままだと殺される。 どうすれば助かるのだろう、裏切り者を探して助けを求めれば助かるのだろうか。 でも、それは誰だろう。
リサは違う。吾郎も違う。マドカも違う。 千影は…、そういえば祭りの為にお香を焚かないとって言っていた気がするけど、あのお香は何だろう。 怜瑠は…、怜瑠が裏切り者だとしたら、戸部の家にわざわざ行くだろうか。それはあまりにも危険な気がした。それに、あれだけ処刑されたがっている。]
(47) 2013/10/22(Tue) 19時頃
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[死ぬのは怖かった。 みんなの顔を一人ずつ、思い返していく。
けれど、その顔の中に先程浮かんだ少女の顔が浮かぶと、美瑠は「ひっ、」と小さく怯えた声を漏らした。
フレドリカは、何も知らずにわからないまま死んだ。 自分もわけがわからないうちに、やってしまった。 けれども、その罪がゆるされるものなのだろうか。
自分だけ一人で、助かってもいいものなのだろうか。]
(48) 2013/10/22(Tue) 19時半頃
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[美瑠が叫び声をあげても、階下にいる父親は、何の反応を見せることもなかった。]
(50) 2013/10/22(Tue) 19時半頃
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[暫く後、美瑠は包丁を手に部屋に立っていた。
カーテンを開けると、月の明かりで部屋は青く染まった。 まだ涙は頬を伝ってはいるが、その姿は落ち着きを取り戻したように見えた。]
(51) 2013/10/22(Tue) 19時半頃
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[この寒空の下、リサはクラスの誰かの姿を見張らされているのだろうか。 健気に自分の役割を果たそうとするリサの姿を思うと胸が痛んだ。 どうか、身体を悪くしないようにと思った。
吾郎にも、聞きたいことがあるといって、その後話をすることができなかった。 大したことではない、ただテレビが下の階にしかないから部屋での時間を潰すために面白い本がないか聞きたかっただけだった。 けれど、それがとても残念な事のように思われた。]
(52) 2013/10/22(Tue) 19時半頃
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[灯里は、明日美瑠が学校に来ない事を知ったら怒るだろうか。 本当は話しかけにくかっただろうに、数学を教えて欲しいと言ってくれて嬉しかった。 美瑠のなんでもない内緒話に、楽しそうに笑う顔を思い出すと、普段しかめっ面の顔しか見せない事が勿体ない様に思われた。]
(53) 2013/10/22(Tue) 19時半頃
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[窓の外を覗く。 向かいの家の窓は、カーテンが閉められている。
向こうは名前を呼んでくれたのに。 せめて、もう一度ちゃんと名前を呼べたらよかった。
処刑されたいとは、言って欲しくなかった。 彼が何をするわけでなくとも、外から彼の声が聞こえてくるだけで少しだけ寂しくなくなった気がしていた。]
(54) 2013/10/22(Tue) 19時半頃
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怜ちゃん。
(-71) 2013/10/22(Tue) 19時半頃
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ごめんなさい。
(55) 2013/10/22(Tue) 19時半頃
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[誰に宛てた言葉だったのだろう。 カーテンを閉めると、美瑠は手首に刃をあて、強く引いた。]
(56) 2013/10/22(Tue) 19時半頃
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ミルフィは、制服が血で染まってゆく。ぬくい、と思った。**
2013/10/22(Tue) 19時半頃
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[床に倒れる美瑠の近くには、何事か書き付けられたノートの切れ端が落ちていた。 隅が、血で汚れている。]
『みんな だまされてる』
[ノートの切れ端には、そう書かれてあった。**]
(60) 2013/10/22(Tue) 20時半頃
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[寝台の上で、美瑠は夢をみている。
そこは河川敷の公園で、みんなで遊んでいる夢だった。 少し遠くで、みんなを見守る先生の姿もあった。 美瑠の髪は黒く、髪も背丈も短い。
子どもらしい無邪気な笑顔で、美瑠はみんなの名前を呼んでいた。
最後に、美瑠が何を言おうとしたのか。 声にはならなかったが、怜留にはそれがわかったかもしれない。]
(152) 2013/10/23(Wed) 00時頃
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怜ちゃん…
(-123) 2013/10/23(Wed) 00時頃
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ミルフィは、静かに眠っている。**
2013/10/23(Wed) 00時頃
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