105 CLUB【_Ground】
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─ 1週間後・自室 ─
[この一週間も、やはり、誰かを”世話”の為に呼び出すことは多かった。 フーにも幾度も……おそらく、一番多く連絡を入れたのだろうけれど、受け容れられたのは何度だろう、断られたのは何度だろう。]
……爪。
また、伸びてきたんだぞ。
[爪研ぎは毎日している。 けれど、またそろそろ、研ぐだけでは追いつかなくなった爪が伸びてきた。 誰かを呼んで、切ってもらった方がいいだろうか。 視線はちらりと、床に転がしたままの端末を見た。]
…………。
(3) 2013/12/21(Sat) 02時半頃
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[爪の伸びた手で端末を持ち、じっと見つめる。 黒い画面には、自分の顔が映っていた。 そこを、そっと小指で触ると、アイコンと文字が現れた。 その時画面に一緒に出てくる、四桁の数字は一体何なのだろう。 自分達と同じく製造番号なのだろうかと思ったが、いつ見ても、違う気がする。]
……んー。
[不思議に思いながら、端末を操作する。]
(6) 2013/12/21(Sat) 02時半頃
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フーか。
爪、のびてきたんだぞ。 切ってほしいんだぞ。
[簡潔なメッセージを送る。 最近、何故だか断られることが増えた気がして、それが逆に、呼び出す回数を増やしていたかもしれない。]
(-7) 2013/12/21(Sat) 02時半頃
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/* チアキには、てっきりシメオンからのラブコールがいっているものだとばかり。
(-11) 2013/12/21(Sat) 02時半頃
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……おれはフーにたのんだんだぞ。
[爪を切るだけだというのに。 ぶすっと、不満げに、短い返事を送る。
しかしそれ以上は言わぬまま、通信を切った。]
(-19) 2013/12/21(Sat) 03時頃
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/* 村規約を読み直してきた!
よし、シメオン次第では、これは事故発生させるのもアリか!!(クワッ!
(-24) 2013/12/21(Sat) 03時頃
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[通信を切ると、ひどく不満げに端末を睨み付けた。
理由は何度も聞かされて、頭では一応理解したはずなのだが、どうしても納得はいかなかった。
しかし、何故、納得いかないのか。 何故こうも、些細なことに苛立つのか。 フーに拘ってしまう理由は……
……それもまた、分からなかった。]
(16) 2013/12/21(Sat) 03時半頃
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[───バリッ。
端末をベッドに放り投げると、溜まったストレスを発散させるかのように、乱暴に、爪研ぎ板に爪を立てた。 バリバリと、硬い板を引っ掻く音は、いつもの数段大きく、廊下にまで聞こえていたかもしれない**]
(17) 2013/12/21(Sat) 03時半頃
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/* どのタイミングで事故るのが楽しいか考えつつ、風呂る!
(-58) 2013/12/21(Sat) 15時頃
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[バリバリと乱暴に、爪研ぎ板に爪を立て、掻き毟る。 合板製の、非常に丈夫な研ぎ板は、既にあちらこちらが剥げ、深い爪痕だらけとなっていた。 それでもなお、バリバリと]
グ……ガゥッ!
[ささくれ立った破片が棘となり、指に刺さった。 痛みに顔を顰め、血の滲む指先を見る。 けれど、棘を引き抜くと、また爪研ぎを再開する。 新たな棘がいくつも刺さって、板に赤い筋ができようと、指先が染まろうと、お構いなしに。]
グ、ゥゥ……!
(27) 2013/12/21(Sat) 18時頃
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[何日前か、チアキから、買い手がついたという話は聞いていた。 シメオンという人間の名は知らなかったが、抱き締めて、何度もおめでとうを言った。 ちょっと遠慮なしすぎて、チアキには、痛い思いをさせてしまったかもしれないけれど。
聞かされていた人間の数は4人で、愛玩動物は6匹。 計算はできなかったけれど、動物の方が多いというのは聞かされた。 もし売れ残ったら、次の客が来るまで、ここで過ごすことになるのだろうか。 それとも……工場にもどされるのか。]
ウゥ………
[嫌な記憶に、顔が歪む。]
(31) 2013/12/21(Sat) 18時半頃
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─ 自室 ─
ヴ……!
[いつもならすぐに気付く足音にも気付かず、夢中で爪研ぎ板を掻いていたが、強いノックの音に、ようやっと手は止まる。]
……フー……。
[扉に向けた、濃青の瞳が揺れる。 小さく軋む牙、その表情は、睨み付けるかのようで]
……つけたんだぞ。
[うっすら赤く染まった指でしめた目隠しは、かなり大雑把なものだった。]
(32) 2013/12/21(Sat) 18時半頃
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[>>@36怒気を孕む音に、耳は小さく動いたが、昂ぶった感情では冷静に汲み取ることができず、目隠しの下から怒りと苛立ちの視線を向けるのみ。]
なにって。 爪、といでたんだぞ。
[怒りの滲むような声に返すのは、不機嫌露な声。 すぐそばに転がる爪研ぎ板は、見るも無惨な状態で、あちらこちらに赤が散っていただろう。]
……ッ、
[手を掴まれると、一瞬身を強張らせた。 指も爪もボロボロなのは、自分でもよく分かっている。から、叱られる覚悟はあった、が]
……フー……!?
[ひたりと、指先に感じたのは、温かな湿り気。 一度だけ、軽く手を引くような抵抗の仕草を見せたが、それきり、腕の力は抜けて。 声のない部屋に、微かな水音だけが聞こえる。]
(53) 2013/12/21(Sat) 21時頃
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[研がれるどころか、ギザギザになった爪。 あちらこちらに爪研ぎ板の破片が付いたままの、血の滲んだ指。
感情任せの愚かな行為で、ぼろぼろになったそれ。 厭わず舐めるフーに、謝らなくてはいけないことくらい分かっている。
なのに今は、いつもの素直な言葉が出せない。
目隠し越しに、小さな水音を立て続ける指先を、ただ見つめることしかできなかった。]
(-164) 2013/12/21(Sat) 22時頃
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/* おー、ねむみゃ
(-186) 2013/12/21(Sat) 23時頃
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[>>@49聞こえるのは、指を丹念に舐める水音と、時折震える端末に、フーが何かを返す声。]
……、……
[そこに、小さな歯軋りが混ざり込む。
荒んで、凍てついていた心は、少しずつ解けてきた。 そのかわりに沸き上がる、懺悔と沈痛。 言わなければならない言葉があるのに、喉につっかえて出てこない。
唇だけが時折、声を出さぬままで動いた。]
(88) 2013/12/21(Sat) 23時半頃
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[破片を取り除かれるたび、指先には微かな熱が灯った。 そして薄く広がって、溶けてゆく。 溶けた棘は、胸に刺さる。 チクチクとした痛みは、今まで知らなかった痛み。]
フー…… ……
[漸く、ほんの少しの声が出た。 けれどそれは、水と一緒に溶けてしまうほどに小さな声で……]
(ごめんなさい
(-200) 2013/12/21(Sat) 23時半頃
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[>>@54唇が指を離れた瞬間、指先が少しひんやりした。 けれどそれ以上に、得体の知れない、ずっと足りないままの何かが、また少し大きくなったような気がした。]
……。
[静かに響くフーの声。
少しだけ間を置いて、頷いた。]
(93) 2013/12/22(Sun) 00時頃
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それは……。
[目隠しに指が触れると、嫌々をするよう、首を振った。]
おれ、なんでだかわからないけど……
……でも、ここには、フーがいて…… フーも、サミュエルも、ティーも……
[大好きで。 けれど、何かが違う気がする。]
大好きは、な……とっても、あったかくなるんだ……
なのに、痛いんだぞ…… フーのだけ……痛いんだ……!
[絞り出すような声とともに、血とは別な朱で薄く染まった指を伸ばし、フーの服を掴もうとする。]
(94) 2013/12/22(Sun) 00時頃
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───(ごめんなさい
[もう一度唇を動かしてみたが、やはりきちんと声にならない。 かわりに瞼が熱くなり、目隠しに、じわりと水が滲み出す。]
(-222) 2013/12/22(Sun) 00時頃
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[ベッドの上から、端末の震える小さな音がした。
2度目。]
…………。
[気付いてはいたけれど、今は、それに手を伸ばすことはできなかった。]
(-227) 2013/12/22(Sun) 00時半頃
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/* あぅぅぁーーー……!!
(-228) 2013/12/22(Sun) 00時半頃
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/* 広間組すまない、ほんとすまない! つか、フー拘束してすまない……!
(-229) 2013/12/22(Sun) 00時半頃
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[>>@59首を振っても、目隠しは、すげなく結び直されてしまう。 目隠しの結び目が強まるほど、フーの服を握る指にも力が籠もる。 先程舐め取られたばかりの血が、また滲んでしまうほどに。]
なんでだ……?
じゃぁ……じゃぁずっと、それまで、痛いままなのか……? なんで、どうして、フーじゃダメなんだ……?!
[言葉にするたび、痛い、苦しい。]
違う……逆だぞ……。 離れると、痛いんだぞ……!
(99) 2013/12/22(Sun) 01時頃
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…………(ごめんなさい
───。
[三度目を掻き消す言葉が聞こえた。
滲む水さえ、凍てつかせてしまうほど、冷たく……]
(-241) 2013/12/22(Sun) 01時頃
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───!
[>>@61強く、残酷な言葉が、胸に深く突き刺さる。 離すまいと、ボロボロになった爪を、食い込むほどに強く伸ばすが、それは無理矢理剥がされてしまった。]
フー……
そんなの、おれ、わかんないんだぞ……
[ふたつの”好き”の違いが、分からない。 どうしてこんなに苦しいのか、どうしてそれがフーだけなのか。 どうしてフーは………]
……っ、ぅ……
[強く結び直された目隠しに、指をかけ]
(100) 2013/12/22(Sun) 01時頃
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そんなのわかんないんだぞ!!!
[引き裂き、扉の向こうへと叫んだ。 濡れる瞳は、性欲とはまた違う感情の昂ぶりに、金褐色に染まったまま。]
(101) 2013/12/22(Sun) 01時頃
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[痛い。 分からない。 苦しい。
扉の前にへたり込み、ずきずきと熱を宿す指先を見れば、またうっすらと血が滲み始めていた。 舐め取ると、鉄錆の味と一緒に、独特のヤニの味がした。 ……また、胸が痛くなった。]
なんでこんなに痛いんだぞ……
[ぎゅっと、胸元に手を寄せて蹲る。 耳にも尾にも、いつもの元気は欠片も見えない。]
(106) 2013/12/22(Sun) 01時半頃
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/* 佳境である。
(-275) 2013/12/22(Sun) 02時半頃
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/* これ場合によっちゃ、ゆっくり衰弱死するか!
(-277) 2013/12/22(Sun) 02時半頃
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