181 アイスソード伝記
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声が届いてしまったのは多分、
「彼女」が、今もこの身と共にあったからなのだろう───
(-11) 2016/01/24(Sun) 03時頃
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"レリィ"
[けれど、彼女に呼びかけるこの声は]
" オーレリア "
[逆方向に響くことはない。]
(-12) 2016/01/24(Sun) 03時頃
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[かつて自分は夢を語った。そうして彼女に夢を聞いた。 海を見てみたいと語ったあの時、 共にと交わした約束に、自分はまたひとつ夢を増やした。]
" 一緒に "
" …─── 行こう "
[無垢な瞳を持つ、この剣の少女と共に。 広い広い見知らぬ海を見に行こう。 それは夢となり、いつしか消えぬ憧れとなって己の胸に焼きついた。]
(-13) 2016/01/24(Sun) 03時頃
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[だから半分叶っていたのは、
多分一緒の話で。]
(-14) 2016/01/24(Sun) 03時頃
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[かつて自分は彼女を家族と呼んだ。 一族も彼女を家族と呼んだ。 それを疑問に思ったことはなかった。
けれど、思う。 それは少し違っていたのではなかったか、と。
家族のような、相棒でもあるような。 伴侶のような、…───もっと近しい特別な絆のような。 そんなものとして、自分は彼女を見てはいなかったか。
……或いはひょっとしたら父も、その父もかも知れないけど。]
(-15) 2016/01/24(Sun) 03時頃
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[マスター、と。自分を呼ぶ声がする。 それは迷い子のように、どこか途方にくれたようにも響いて、 何故だか彼女が落とさぬはずの涙を見たような気がした。]
" 泣くんじゃないよ "
" ここにいるから "
[心臓が二つに裂けて、彼女の氷が鼓動を止めても。 凍った身体は、彼女の刃を抱き続ける。 これまでと変わることなく、…これまでよりも一層近く。]
(-16) 2016/01/24(Sun) 03時頃
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[ふわりと気配が動いた。 形なき腕が──腕と思うだけの何かであったかも知れないけど、 それが幻のような白金の髪を優しく撫でる。
己の名を呼ぶ剣の娘を愛しむように。 心に涙を零す彼女を慰めるかのように。]
"レリィ、"
[聞こえずとも響かずとも、彼女の名前を再び呼んで。]
(-17) 2016/01/24(Sun) 03時頃
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[冷気が凝って、やがて弾ける。 自分や祖先や愛しい者らが愛した土地が、 見る間に生命の気配のない白き死の地へと変貌していく。
けれど現世を離れたサイラスの目に映るのはその景色ではなく、 白く冷えた地の中心で、嘆き叫ぶ剣の少女の姿であった。 狂ったように叫ぶ彼女を形なき腕で抱きしめて、 その音が消えるまで、彼女の声が枯れるまでもそうしていた。
その姿は丁度、剣を抱いて凍った己が姿にも似ている。 人の目にも生物の目にも、剣の目にも映らぬ存在は、 そうしてどれだけかの時を過ごした。]
(-18) 2016/01/24(Sun) 03時頃
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*
(-19) 2016/01/24(Sun) 03時頃
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[うとうとと眠りにつくようにして消えかけていた意識が、 微かに揺り動かされたのは、それからどれだけ後のことだったか。 指を落とされても目覚めることのなかった淡い意識は、 剣の娘の目覚めによって漸く少し目を開けた。]
" …────、あ 、あ "
[ただ。何かが違う。 何が違うのだろうと、少し、首を捻るようにして考えて、 意識は大切な何かがぽっかりと胸から抜け落ちていることに気づいた。]
(-20) 2016/01/24(Sun) 03時頃
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" おーレ リ あ "
(-21) 2016/01/24(Sun) 03時頃
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[ふつりと、糸が途切れている。 意識にはそれが、ねずみが氷剣の柄に乗ったことによって、 己と剣との繋がりが断たれたのだとまで気付くことはなかった。 ただ、ぽかりとした空白がある。 手を伸ばそうとして、その先もまた空白であることを意識は知った。]
(-22) 2016/01/24(Sun) 03時頃
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[行くのか、と。淡く思う。 彼女は漸くこの外へ行くのだ。 己の手の届かない、見知らぬ地へと。]
──────…
(-23) 2016/01/24(Sun) 03時頃
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…─────
(-24) 2016/01/24(Sun) 03時頃
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…… …
( しあわせ に )
(-25) 2016/01/24(Sun) 03時頃
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[言葉も失いつつある消え行く意識が、ほつりと、祈りを落とした。 それは心臓が凍りついたその時に、確か聞いた言葉だ。 幸せでしたと告げられた音、その音に己は祈りを重ねた。
幸せだったよ、俺たちも。 だから幸せにおなり、これからも。]
(-26) 2016/01/24(Sun) 03時頃
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[ ───── ありがとう、 ……
… いって おいで。 ]
(-27) 2016/01/24(Sun) 03時頃
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[微笑むように薄れ行く意識の脳裏に、青が映った。 眩しいほどの青だった。
" … … "
光が閃くほどの瞬間、過去が掠めた。 "それ"は幸せそうに微笑んで───ちかと小さく瞬き *消えた*]
(-28) 2016/01/24(Sun) 03時頃
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とんたたたん 足音響くよ とんたたたん 戸棚の向こうに
お気をつけなさい うっかりすれば 戸棚の奥は いつの間にやら足跡だらけ!
消えたチーズとクッキーの 向こうにちょろりと尻尾が覗く
とんたたたん そら! 追いかけろ とんたたたん そら! 追い詰めた とんたたたん そら! とぷんと落ちた川の中
とんたたたん ねずみが走るよ とんたたたん もうすっかり静かになった
(151) 2016/01/24(Sun) 20時頃
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これは14世紀ごろ流行した童歌である。 こうした歌にも見られるように、 鼠は庶民にとって身近で厄介な存在であった。
こうした事情はやがて、『鼠取り』の伝承といった形で、 人々の間に広く受け継がれていくことになる。 当時の小説の挿絵に、子どもが歌いながら駆け回る描写がある。 恐らくは、こうした歌を口ずさみながら遊んだのであろう。
─── レオナルド・アッシュ「歌と庶民の生活」より
(152) 2016/01/24(Sun) 20時頃
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時の断片の話をしよう。 歴史に名を刻むことなき者らの話を。
(*80) 2016/01/25(Mon) 01時頃
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[約400年前─── 西暦973年 ウィリディス]
(*81) 2016/01/25(Mon) 01時頃
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[アウァールス侵攻当時、 領主と共にウィリディス城に篭った者らがいた。
彼らの事情は様々だ。 領主に恩義を感じていた者、逃げるには不安を抱えた者。 よもやウィリデ家が負けることなど夢にも思わず、 家土地のある故郷を離れるを嫌がった者もある。
しかし西暦973年の春、 領主サイラス・ウィリデがウィリディス城の放棄を決めるに辺り、 彼らは否応なしにウィリディスを離れることとなった。]
(*82) 2016/01/25(Mon) 01時頃
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[領主は食料と水……即ち、 最低限のみを持ち、早急に領を離れよと彼らに通達した。 さりとて人が多くもあれば、そう素直にことが運ぶはずもない。
結果的に、彼らの多くは水や食料の他に、 多くの物資───財産を持ち行くことを選択した。]
(*83) 2016/01/25(Mon) 01時頃
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「はやく、逃げてっ」
[その声を聞けたのは、そんな民の中のごく一握り。 逃げ出した者らの中でも特に素早く、領主の通達のまま、 食料と野宿用の布切れ一枚程度で逃げ出した者らであった。
飛び出してきた娘が、手早くアウァールス兵を薙ぎ倒す。 その助けに礼を言う暇もあらばこそ、 彼らはこけつまろびつ振り返らず、必死に山野を逃げのびた。
──── 結果的にはこれが、彼らを生かすこととなる。]
(*84) 2016/01/25(Mon) 01時頃
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[白き死が、圧倒的な冷気が、やがて背後から迫り来た。 アウァールスの手から逃れても、 白き死神の手に捕まり死んだ者らは数多い。
けれど領民の中にはごく少数、 僅かながらもその死をすら逃れ得た者らがいたのだ。 名の知れぬ娘の助けを得て走り、走り、走り───…、]
(*85) 2016/01/25(Mon) 01時頃
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[後に彼らのうちの一人はウィリディスの過去を振り返り、 こんな昔語りを記録に残すこととなる。 それはウィリディス伝聞書の名で後世の人に当時を伝えた。
章の冒頭に曰く、
『これからの暮らしを期待するには 新しい領主さまはお若すぎたのです』
…────、* と。*]
(*86) 2016/01/25(Mon) 01時頃
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