65 Le Manoir de la Depravation ―淪落の館―
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2012/12/07(Fri) 00時頃
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― 2-C ―
(>>2:591の続き)
君が言うように、確かに一度しか会ったことがない。
[ 今の心境を省みて、そのことが可笑しく感じられ笑う。]
でも、ピッパから相談を受けたこともあった。 一度しか演奏に来てくれなかったことも残念だった。
[ 肩を竦める。]
俺の方では、色々気にしてたんだ。
[ 花の香りが消え去らず、鼻孔の奥に留まっているような違和感はいまだ継続していた。 それでも、さきほどピッパの傍らで生じた強い衝動は今は遠のいている。]
(7) 2012/12/07(Fri) 00時半頃
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― 2-C ―
――よかった。 じゃあ、スランプから脱することができたわけか……
[ 「今は忘れた」ということであれば、なおさらこの話は彼にとって迷惑以外のなにものでもなかったに相違ない。 探り探り言葉を模索していたラルフは、セシルの言葉(>>9)にほっとしたように大きく息をつく。]
[ セシルにヤドヴィガをつぎ終えると、自身もショットグラスの琥珀を煽る。 ラズベリーの酸味と薔薇の香りが立ち、濃厚な甘みが口いっぱいに広がってゆく。
嚥下すると同時に、喉が熱をはらむ。 間を置かず、身体が少しく火照ってきた。]
(18) 2012/12/07(Fri) 01時頃
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俺がどうしてそんなこと(>>2:591)を聞くのか、と訝しむかもしれない。
無理もない。
どうしても話しておきたい、と思ったのはつまり…… ――こういうことだ。
俺が雪の吹き荒ぶ山中でピッパの姿を見出した時、彼女はヴァイオリンケースを携えていた。
飛びきりいい女が伴連れもなく吹雪の山道を歩いてくる ――それだけだって不思議な光景には違いないが、大きな楽器を携えてるんだ。
いったいどうゆうわけかと疑問に思うだろう?
(21) 2012/12/07(Fri) 01時頃
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麓の森を散策していて、ここへと辿り着いたと彼女は言っていた。 だが、森の散策にどうしてヴァイオリンケースを持ってゆく?
重いし堅いし、ひどく邪魔だ。 山奥にコンサートホールがあるわけでもない。
もちろん、冬ごもりしているリスたちを巣穴から誘い出して、 森の中で動物たちと音楽会を始めるつもりだったわけでもないはずだ。
[ そこで一息つく。]
(22) 2012/12/07(Fri) 01時頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2012/12/07(Fri) 01時頃
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ピッパは今、遊戯室でヴァイオリンを弾いているよ。
聴かせたい相手がいるんだ。 ――まちがいなく、ここに。
[ ラルフはじっとセシルを見つめる。
やがて、ヤドヴィガを煽った。]
(24) 2012/12/07(Fri) 01時頃
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そうだよ。一人で、だ。 それも、歩いてだぞ――
[ 呆れたように、呟く。 セシルは、己と一緒にやって来たものとでも思っていたのだろうかと考えながら。
ピッパの通う音楽大学と異なり、ラルフの経営するオーベルジュは郊外にある。 仕事を依頼する際には送迎を用立て、手すきの折には自身が運転をしていたのだから、そのような誤解を受けるのも仕方がないかと思いながら。]
君だって、捨てきれなかったのだと言っていた(>>9)。 その音を、君を誰より必要としている人がいるんだ。
[ 立ち上がるセシルの姿(>>38)に喜色が満面に現れる。]
行ってくれるか――
[ 彼と共に立ち上がった。]
(47) 2012/12/07(Fri) 01時半頃
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― 2-C→ ―
多少、変調はあったみたいだが…
[ 練習をする、と言っていた時の彼女は平静に戻っていたように思えた。]
…大げさにするほどではなかったみたいだ。
[ セシルに応える。]
実は、そう長く滞在するわけにもいくまい、と思いかけていたんだ。 それで思い切って話を切り出した。
天候が戻り次第、俺は彼女を連れて下山するつもりでいる。 ちょっと、考えておいてくれ――
[ セシルに下山の意志はないかと打診するように、自分の意志を伝えた。]
(51) 2012/12/07(Fri) 01時半頃
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「けど……彼女が本当に必要としてるのは……。」
[ まだ迷いを拭い去れずにいるセシルの様子(>>67)に、彼を元気づけるように背中を押す。]
正直言うと、俺には音楽の深いところまではわからん。
音をあわせてみて、一緒に曲を創って演奏してみて ――それでやっぱり結局はあわなかった
残念ながら、そういうことだってあるかもしれない。
[ 顔を蹙める。]
だが、彼女は出来うる限りの努力と熱意でここまでやってきたんだぜ。 試してみる価値は充分すぎるほどあると思うんだが――
(79) 2012/12/07(Fri) 02時半頃
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[ 門外漢の自分に言えるのはそれが精一杯のことだった。
――自分は余計なことをしているのだろうか。 だが、その時その場所で最善と信じられることを果たすしかないのだ。
たとえ自身が力及ばず、その役割に最適でなかったとしても。
そう思い、憂愁を孕んだため息を呑み込んだ。]
(80) 2012/12/07(Fri) 02時半頃
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― 遊戯室 ―
「――役者不足」
[ そうだろうか、と眉を寄せる。 彼の求める“真実”は本当に“そこ”にはないのか。
願い、求めればその先に――
これから描かれる真実が各々の人々にとってどのような姿になるのか、ラルフは自身の“それ”さえ明瞭には見出してはいない。]
(100) 2012/12/07(Fri) 03時頃
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[ 遊戯室へと近づけば、ルロイ・アンダーソン『The Waltzing Cat(踊る仔猫)』が響いてくる。 店“La souris a` miel”で何度も耳にした馴染みの曲だ。
随分綺麗になったとピッパを評するセシルににやりと微笑む。]
「……ちょっと勿体無いことをした」
(過去形なのか?)
[ 囁くように、悪戯っぽく問うた。]
(試してみる価値は充分すぎるほどある。)
[ さきほどのやりとりを甦らせる。
俺はそうするつもりだが、そう言って笑った。]
(101) 2012/12/07(Fri) 03時頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2012/12/07(Fri) 03時頃
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― 遊戯室 ―
[ ぼそぼそと囁くセシルとのやりとりが、ピッパの耳に届いてしまったようだ(>>92)。]
「どうしたの? また二人一緒なんて。」
「急に仲良くなったの?」
[ 声の主は、自分のことを話題にされていたとは知るよしもない。]
とびっきりの美人が山に現れた話をしてたんだ。
[ そう戯れ言めいて口にする。 ミャオゥと彼女のヴァイオリンが鳴れば、怺えきれず吹き出した。
チェロを取りに向かうセシルの背中を眩しげに細めた目で見守って。
男は壁際に身を預けた。**]
(107) 2012/12/07(Fri) 03時半頃
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― 回想:『踊る子猫』 ―
[ 音楽――
それについては一つの予感があった。
ピッパの演奏はその人柄を示すように自由で伸びやかだった。 感情の起伏が率直にあらわれ、その場にいる人々の情動を抱き込んで豊かに花開く。
そうした特性をよく示すものとして想起されたのは、先ほど耳にしたルロイ・アンダーソンの『踊る子猫』に付随するエピソードだった。]
(128) 2012/12/07(Fri) 06時半頃
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[ その日、上得意の夫婦が記念日を祝すため、愛犬と幼い男の子を伴って来訪していた。 家族揃っての旅行の途中立ち寄ったということだった。
ところが男の子は退屈しぐずりだし、かといって夫婦は記念日のためのコース料理を途中で放り出したくはなかった。 そこで、事務作業を終えた経理の女の子が、しばらく男の子と犬を預かることになった。
「あー 一人じゃやっぱり手いっぱいですよー」
ラルフが様子を見に行った時には、うろうろ歩き回りはじめた男の子に彼女が手を焼きはじめていた。]
(129) 2012/12/07(Fri) 06時半頃
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[ ――その時だった。]
「はい、これ。君のパート」
[ ピッパがそう言って、男の子にホイッスルを渡したのは。
軽妙で愉快なワルツの旋律は、子供の心をぐっと引き寄せた。自分が役目を果たすと聞けば目はまん丸に開かれ、そのタイミングを今か今かと待ち受ける。 ピッパが弦を滑らせるグリッサンドのミャーォという音色にあわせ、ピューイ、ピューイと男の子のホイッスルが合いの手を入れた。
そこに居た客たちは、突然始まった小さな飛び入り奏者との競演に手を叩いて笑った。
曲の最後――クライマックス。 投げられたチキンジャーキーに反応して小型犬が夢中で吠えれば、もう大喝采だった。
曲のラストに犬の吠え声が入ること、それが通常は奏者の発声で為されることをラルフが知ったのは後のことだったが。 客を巻き込んで大盛り上がりした最初の演奏の瑞々しい感激を、ラルフはいつでも呼び覚ますことができた。
評判の高さもあって、今では“La souris a` miel”での定番の演奏曲となっている。]
(130) 2012/12/07(Fri) 07時頃
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[ ピッパの音楽は、ラルフの店“La souris a` miel”やChat Noirのメンバーたちで時折催されるストリートライブのような、いわば客の顔の見える距離感での演奏において最も生き生きとその特性を発揮するもののように思われた。
一方で、規定や一定の基準に従っての演奏を求められるコンクール、企画趣旨や売り方が先行した企業でのプロモーションを目指してのオーディションでは、それらの秀でた特質が汲み上げられることは少なかったようだ。]
(131) 2012/12/07(Fri) 07時頃
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[ セシルは強い集中力でそこに自身の世界を立ち上がらせる秀でた資質を持っていた。
それは演奏の中に尖った個性として立ち現れ、批評家や審査員たちの肥えた耳にも突き立った。
だが、そうした硬質な個性は時に脆さをはらみ、またひどく聴衆を選ぶものでもあるように思われた。]
(132) 2012/12/07(Fri) 07時頃
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[ ピッパの自由な伸びやかさの中に、セシルの際立った個性が加わること。
あるいはセシルの持つ鋭さが、ピッパの柔らかに運ばれ精彩に満ちた彩りを得ること。
それら相補的な化学変化が互いの音楽を更なる高みへと引き上げる効果を発揮するのではないか。 それが、人を集めて一つの事業を組み上げることを生業としているラルフの職業的な直感であった。
無論、それはそれぞれの資質のよい面が適切な時に望ましいタイミングで出会った時に与えられるものだということもよく理解していたのだが。
ピッパとセシルがそこに実際にどのような結実をもたらすかまでは知り得ないことであった。]
(133) 2012/12/07(Fri) 07時頃
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― 経理事務の女とブルーノの教団 ― [ その経理事務の女の子(>>129)は今はいない。
ブルーノが宗教者になったということをふんふん、となにげなく耳にしてはいた(>>1:402)のだが、その彼女がのちに彼に付き従う道を選択する(>>13,>>14,>>15)ことになろうとはその時には想像だにできなかった。]
月に……人?
悪業??
なにを言ってるんだ? 君はなにも悪くないよ。
よい治療ができるよう、俺も病院を探してみよう。
[ 気をしっかり持ってくれ、自分もできる限りのことはしよう。 そう力添えたはずだったが、新たな商材を仕入れ販路を開拓するために外出しがちだったその年、静かに職場を去っていった。]
(134) 2012/12/07(Fri) 07時半頃
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[ 彼女が吸い込まれていった教団はいったいどんな場所なのか。 そしてその教祖は?
彼女に幾度か手紙を送ったこともあった。 インターネットで検索してみたこともあった。
同じ様に教団に入信したきり帰ってこないと“被害報告”をしている人もあった。
だが、ラルフには、彼女の話す内容から“自由意志”でそこへ赴いたのだとしか理解できずにいた。]
(135) 2012/12/07(Fri) 07時半頃
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[ “被害”を訴えている人の言葉だけを鵜呑みにするには、その内容があまりに空想的で突飛に思えたからだ。
当事者の教団や教祖の言い分を聞くまでは判断を下せるわけがなかった。
食事の席でブルーノと話した結果は、ラルフにとって困惑を深めるものだった。
そこからは、献金の強要や高額な神器物の購入が要求されるような強欲さの兆しのようなものを見出すことはできなかったからだ。
そしてそのことは、ラルフにとっての“被害”を成立させる要件が存在してはいないことを意味していたのだった。**]
(136) 2012/12/07(Fri) 07時半頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2012/12/07(Fri) 08時頃
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― 遊戯室 ―
[ 簡単な調律がはじまると共に、ラルフは向かい合わせになったソファーがボックス席のようになった一隅に身を滑り込ませる。
ソファーの背もたれが視界を遮り、腰をかけているというよりは横臥しているのに近いその姿勢はセシルとピッパの位置から目に入ることはない。
ラルフは二人の集中力の妨げにならぬよう、静かにショットグラスのドゥヴイニャク・クラシュトルヌィを傾けている。]
(159) 2012/12/07(Fri) 22時頃
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“You see how the bee lieth still in winter, and bestirs her only when she can have profit with pleasure.”
「蜜蜂を見給へ。冬枯れに安閑恬静として英気を養い、うららかな順風にあって羽ばたくことだろう。」
バニヤンの『天路歴程』の一節が遠い記憶の中から繙かれる。 外ではいまだ降り止むことなく雪が舞い散っている。
だが、長く隔たっていた二人の時間はようやく溶け、動き出したのではないか。 グラスの中で、緩やかに解けだした氷が琥珀の中の揺らめきとなって流れ、小さく音を立てた。]
(161) 2012/12/07(Fri) 22時頃
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[ ラルフが経営学や養蜂、畜産に料理といった実用書以外の書籍を手にすることはほぼない。
大学に籍をおき、その後家業の投資銀行での業務に就いていた折。 顧客や上司の話題にあわせるように、彼らが興味を持つジャンルの書籍に手を伸ばすことがあったという程度だ。
『天路歴程』――それについて話していた男の名は……。 博識で常に優等な成績を修めていた傍輩の横顔が、携えていた書物の一節と共に甦る。
まどろみに落ちかける中、ラルフは遠い記憶へといざなわれていた――]
(162) 2012/12/07(Fri) 22時頃
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― 大学時代 ―
「ぃよーし。そうだ。上を向いて姿勢を正せ。」
[ OBや理事だとかいう役職を持った連中との面接の後。 俺たち入会希望者が連れて行かれたのは、その“クラブ”の所有する漕艇部屋内練習場だった。
ブレザーを脱げと命じられる。 下着姿となり、水の抜かれた練習用屋内水槽の底に横たわる。
いったいなんのために。 これからなにが起きるのか。
――訝しげに眉を蹙めたその時、頭上から飛沫を上げて汚水が襲いかかってきた。]
(163) 2012/12/07(Fri) 22時頃
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「ぎゃーっはっは! 新入りども!歓迎してやんよ!!」 「救助訓練だ! しっかり溺れろよ」
[ 上級生のディーンが股間のものを振り回し、ゲラゲラと笑いながら噎せて咳き込む俺たちの顔へと狙いを定めてくる。 それが現実だと知覚した刹那に、全身の血液が忿怒に沸騰した――]
(164) 2012/12/07(Fri) 22時頃
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「辞めるだって!? ――冗談だろ?」
[ 更衣室でロッカーの扉をボコボコの波打ち板にしたあと、そこから荷物を引き上げ立ち去る俺を呼び止めたのは、ルーカスだった。]
声をかけてくれたことには感謝している。 だが、これ以上はごめんだ。 あいつらと同じ空気を吸うのもイヤだ。
[ 一瞥さえくれず、足早に歩き去ろうとする俺の肩をルーカスが掴んだ。]
「“クラブ”の入会がどれだけ難しいか。 俺は使えるコネは全部使った。 あちこちに声をかけて拝み倒して、 やっと俺とお前の分の席を確保できたんだぞ。」
(165) 2012/12/07(Fri) 22時頃
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[ 必死で引き留めようとするルーカスが、石にかじりつくようなその涙ぐましい努力と執着が、浅ましくみじめなものに思えてならない。
それは、自分自身についてもそうだった。 彼を罵る言葉遣いさえ、今はゲール語の訛りが矯正された容認発音だ。 これまで積み重ねてきた努力のすべてがただ、虚しい。]
あんなゲスどものけつをペロペロ舐めて綺麗にするような生き様がお望みか? 金モールで飾ったチンパンジーのポスティリオン(乗馬従者)のように小粋だぜ。 うっとりするよ。
(166) 2012/12/07(Fri) 22時頃
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[ くだらん皮肉はよせ、とルーカスは言う。 彼は真剣だった。]
「表層だけを見るな。一時の癇癪ですべてを台無しにするつもりか? お前の将来を、希望を。お前をここへやった家族の期待を――
“上”へ行きたければ、入口は“そこ”にしかないんだぞ。」
[ 彼の言う通りだった。
政界、財界に網の目のように人脈を張り巡らせているファイナルクラブ。
そこに取り入ることが叶わなければ。 そしてその世界で巧妙に泳ぎ切ることができなければ、 恵まれた機会が配分されることはない。]
(167) 2012/12/07(Fri) 22時頃
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[ 自分はただ頑迷になっているだけなのだろうか。自分自身に執着しているだけなのか。 ルーカスのそれを“執着”だと笑える根拠はあるか。
足を止め、考え込んだ俺に彼は言った。]
「お前となら“上”へ行けると思った。 だからお前に声をかけたんだ。」
[ 勘弁してくれ、というように俺は天を仰いで両手を広げる。
「“上”へ行こう、ラルフ。……すべてはそこからだ。」
(168) 2012/12/07(Fri) 22時頃
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