人狼議事


42 とある結社の冬休暇

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【人】 教え子 シメオン

― 朝 / 廊下 ―

[シメオンの朝は早い。
 雑用をこなす後輩が部屋を訪れても、彼の部屋は既に空だろう。
 洗濯物だけは、籠に放り込まれて部屋の前に置かれている。]

……さッみィ。

[白い息を吐きながら、行くあても無く廊下を歩く。
 勿論、誰かとすれ違えば舌打ちを漏らしながら。]

――あァ、ウゼェ。

[何が、という訳でもなく。
 ただ何かに向けて不快感を露にしなければ落ち着けない。
 そんな、人とろくに関わりを持ちもしない彼だが、
 個室に篭ることは滅多に無い。
 自分の部屋には就寝時しかおらず、いつもうろうろと
 廊下を歩いている姿が見られている。]

(77) 2012/01/12(Thu) 00時半頃

【人】 教え子 シメオン

― とある結社員の過去 ―

[青年は、村の中で最も裕福な家庭に生まれ育った。
 特に職を持たなかったが、何もせずとも親の金だけで
 生きるのに不自由は無い。
 そんな子に対して、親もまた甘く、何も言わなかった。
 満たされているという訳でもないが安穏に暮らせることは
 保障されている――はずだった。

 しかし、ある時。
 村人たちが獣に食われて死ぬ事件が頻発するようになる。
 青年は当時から友人などもおらず、被害者たちのことなど
 ろくに知りもしなかった。
 だから、事件のことも親が話していたのを聞いただけだ。
 自分には関係の無い話であり、深く捉える事も無かった。

 けれど、そんな彼も他の村人たちと同様に。そして平等に。
 村にやってきた「結社」を名乗る者たちにより
 集会所へと集められ、「人狼」の説明をされた上で
 閉鎖された空間に監禁されてしまう。]

(78) 2012/01/12(Thu) 00時半頃

【人】 教え子 シメオン

[元より人付き合いなどは不要として捨てていた青年だ。
 村人同士、互いを疑い合わなければならないような
 異常な状況の中でまともに振舞える筈も無い。
 皆に好まれていなかったのもあるだろう。

 一夜すら必要としないうちに。
 誰よりも早く、疑いを集めてしまった。

 皆から向けられる、疑惑の視線。
 あるいは殺気すら込められたそれに、恐怖する。
 自分は、この者たちに殺されそうになっている。
 人間なのに。化け物の事など知りもしないのに。

 青年は、眠れぬ夜を過ごした。]

(79) 2012/01/12(Thu) 00時半頃

【人】 教え子 シメオン

[だが翌日になって状況は変わる。

 村人の中の一人が、「占い師」だと言って名乗り出て――
 青年のことを人間だと言って保障した。
 あまりにも疑わしかったために占ったのだと言う。

 その者のことを、青年は名前くらいしか知らなかったが
 彼のおかげで処刑されることも避ける事ができた。

 代わりに、その日は別の者が処刑された。
 その者とは何度か話したことくらいはあったかもしれない。
 どうでもよかった。自分が生きられるのなら。]

(80) 2012/01/12(Thu) 00時半頃

【人】 教え子 シメオン

[夜が明けると、名乗り出ていた占い師が食い殺されていた。

 「あんなロクデナシの正体を証明するためだけに、
  貴重な占い師が名乗り出て、食われてしまった。」

 村人たちは、口々にそう言った。
 人である事がわかっても、青年には憎しみの込められた
 視線が向けられた。

 化け物と、村人。
 どちらも怖くて、青年はそれからずっと個室に篭った。]

(81) 2012/01/12(Thu) 00時半頃

【人】 教え子 シメオン

[最低限の食事と、誰かの名前を適当に書く投票以外は
 ずっと部屋に篭り続けているうちに、そのグループの
 人狼は退治されていた。

 村人3名と結社員2名、そして人狼3名の死を以って、
 青年を含む8名は集会所から解放されることになる。
 他のグループでも何名かの死者は出たらしいが、
 人狼はすべて処刑され、村も、その機能は維持できた。

 けれど、青年の親は別のグループで死んでいた。
 自分を庇護する人はなく、また、村人たちの視線が恐ろしくて、
 青年は以前と変わらず村に住める状態ではなかった。]

(82) 2012/01/12(Thu) 00時半頃

【人】 教え子 シメオン

[親の遺した財産はある。
 しかし、そのまま村で住むことはもう無理だ。
 他の土地に移ろうにも、いつまた今回のように理不尽な
 目に合ってしまうか知れたものではない。

 だから彼は、逃げるように、結社に入ることを望んだ。
 結社員であれば、ただ巻き込まれる側ではなく、
 状況を支配する側の人間となれると考えたから。

 たとえ危険な任務に就くことになろうとも、
 あの突然降ってくる恐怖よりはまだましなはずだから。

 村の誰が人狼だったのかすら知ろうとしないまま、
 青年は結社の一員となる。
 常に人手不足なためか、断られることもなかった。
 結社員となった青年は今でも、自分が巻き込まれた事件の
 資料を見た事は無い。見ようとは決してしない。

 目を、背け続けている。]

(83) 2012/01/12(Thu) 00時半頃

【人】 教え子 シメオン

― 朝 / 廊下 ―

[シメオンは、個室に篭ることは滅多に無い。
 一人で個室に居続けると、化け物と村人に怯えていた
 あの時の事を思い出すから。

 だから、行く当てもなく廊下を徘徊し続ける。
 人からの視線を遠ざけるように、敵意を振り撒きながら。]

(84) 2012/01/12(Thu) 00時半頃

教え子 シメオンは、メモを貼った。

2012/01/12(Thu) 01時頃


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