134 幽冥異聞
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[焔と水の激突の果て、濛々と白い水蒸気に包まれる空を見上げて]
……どうなっておる。
[無事なのか――いや、どうだろうか。大神亀の、すべてを注ぎ込んだ術だ。 相殺には遠く及ばなかったから、イタチも娘も、水漬く屍になっていても驚くまい]
(3) 2014/09/29(Mon) 01時頃
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……の、ようじゃな。
[傍らに降りたイタチに、半瞬だけ視線を向け]
じゃが、やりようはある。 良いか、今から言うように――、
[と、視界が逆さになる]
……ふぁっ!?
[そして、夜空へ――]
(6) 2014/09/29(Mon) 01時頃
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――荷物扱いしおってからに!!
[どこぞの大地に降り立ったあと、まずしたことは、イタチを殴り飛ばすことだった*]
(7) 2014/09/29(Mon) 01時頃
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調律師 ミケは、メモを貼った。
2014/09/29(Mon) 01時頃
調律師 ミケは、メモを貼った。
2014/09/29(Mon) 21時半頃
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――……まったく、たわけが。
[殴り飛ばしたあと、イタチを睨みつける。 あの娘のことは担がず抱えていたというのが、余計に腹立たしい]
いま少し、何とかならなんだのか。 米俵かなにかの如くに担ぐとは、どういう了見じゃ。 御簾の陰に座した女御を扱うように、とまでは言わぬがな。
[そうして、深く溜息を吐いて、肩を落とす。 人里にほとんど下りていなかったイタチに、女の扱いを云々しても無駄だろう]
(42) 2014/09/29(Mon) 23時頃
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……まあ、よい。 なにはともあれ、大事はないのか。 というか……あれを相手に遣り合って、よく生きておったな。
[手が出るのも早いが、気分の切り替えも早い]
見立てと記憶に狂いがなければな。 あれは、その背に蓬莱山を背負うとも伝えられる、伝説の大霊亀じゃ。 この身も三千以上の歳を経ておるが、あれがいったいいつから生きておるのか見当も付かぬ。 世に亀は万年とはいうが、本当に万の歳月を生きておっても驚かぬ。ほとんど神の域じゃな。
[火と水という術の相性もあるが、まともに相手にするのは、自分でも厳しい。 その襲撃にあって生き延びたばかりか、よもや、返り討ちにするなどとは。 あの場にいて、自分の両の眼で見ていなければ、とても信じられなかっただろう]
……あの娘、一体、何者じゃ?
[神亀を仕留めた雷術。あれを浴びれば、自分も危うい。 よほど高位の術師なのだろうが、襲われていたところをみれば、安倍の生き残りだろうか?]
(43) 2014/09/29(Mon) 23時頃
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……しかし、あの大老がな。 鍵を求めるにしても、こうも手段を選ばぬとは思えんが……。
……或いは、魍魎どもは別口か? こうまで揺らげば、それもおかしくはないが……。
[どうなっているのかと、イタチに視線をやりつつ]
しかし、あれだけの大物まで出張ってきておるとなると。 何をするにも、ちと、徒手では厳しいかの……。
[あの鏡の童女相手にも、攻めあぐねたとおり。 術にはどうしても、相性というものが存在するので]
(53) 2014/09/30(Tue) 00時頃
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まあ……ともかく、やらねばならんことは判っておる。
[こめかみをこつこつと指先で叩きながら]
都は、いつまでも安寧に在らねばならない。 鍵は、然るべき者の掌中に在らねばならない。 剣は、其れを求める誰の手にも在ってはならない。
[白狐の一族が知っているのは、そこまでだった。 都の平穏を護り、鍵を然るべき者に渡し、剣を求める輩を除く。
その先は、然るべき者が果たすべき役割。 それが、白狐の一族がかつて人と交わした盟約であった]
(54) 2014/09/30(Tue) 02時頃
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ふん、言葉にすれば簡単じゃがな……。 市中が乱れれば、結界もまた乱れよう。 この有様で、いつまで保つやら判らぬというのに……、
いま、鍵は誰の手にある? 今代の然るべき者とは誰じゃ? 一体全体、その輩はどこにおる?
[神格化され、千里を視透す神通力を持つといっても、全知でも全能でもない。 知らないものは知らないし、出来ないことは出来はしない]
(55) 2014/09/30(Tue) 02時頃
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……つまりは、捜すしかないということかの。
[たとえ手探りでも、それが為すべきことなら、為さねばならない]
まあ、よい……京のなかにあるのは、間違いなかろ。
……京の結界はな、イタチ。 京の外から内に入るものを防ぐのではない。 内に封じるためのものじゃからな。自然、関わりのあるものは内に留まろうよ。
ま……そのお陰で、昔はひどかったがの。 出るに出られぬ雑霊が市中に溜まり、それに誘われ、力のある妖魔も集まって。 人と妖が入り乱れ、夜な夜な、戦のような有様じゃったが……ああ、話が逸れたの。
(57) 2014/09/30(Tue) 02時半頃
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……兎にも角にも、鍵じゃ、イタチ。 それに、話が判る人間……安倍か賀茂の生き残りがおればよいがな。 陰陽寮が残っておれば、そこで必要な話はすべて聞けたじゃろうに……えい、忌々しい。 文明開化は良いがな、残さねばならぬものまで廃するから、こういうことになる。
[苛立ち混じりに、吐き捨てて]
……何箇所か行くところがあるんじゃが、どうする?
付き合うもよし、別れて鍵を探すもよし。 何の縁かは知らんが、あの娘を助けにいくもよし……じゃ。
[と、イタチに問いかけた**]
(58) 2014/09/30(Tue) 02時半頃
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調律師 ミケは、メモを貼った。
2014/09/30(Tue) 02時半頃
調律師 ミケは、メモを貼った。
2014/09/30(Tue) 18時半頃
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―京都九条・九条家邸宅―
[――家人が逃げだしたあとの邸に這入り、おもむろに探る。 といっても、大した捜索の労はない。ただ、発散される力を追えばいいだけで]
――……これだ。 古の名匠、三条宗近が我が主神たる稲荷明神の助力で打った太刀。
[小狐丸の銘を与えられた、神造の名刀。 平安以来の名家、九条の家に伝えられた宝物。 その神力を宿した太刀を、火事場の盗人のように持ち出して]
ま……安心するがいい。 すべてが上手くいけば、対価はいずれ渡そう。
[そうでなかったときは――いかなる財宝もが、無意味な世になるだろう]
(92) 2014/09/30(Tue) 22時半頃
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……さて。 得物も回収したことじゃし、更衣も済ませねばな。
ちと手伝え、イタチ。 このところ洋装ばかりじゃったからの。
[衣服の着替えを手伝わせて、恥じるところは全くない。 飼い犬に裸を見られて恥じる娘がいないのと、ある意味では同じかもしれない。 この九条邸に訪れる前、伏見のお山で受け取った己の衣装を身に着けるのを、手伝わせつつ]
……なんという空気じゃ。 感じておるじゃろ、イタチよ……毛が逆立つような、このびりびりとした空気。
あの霊亀も大概じゃったが……これはともすると、それ以上か。 ことによると、元々からの神かもわからんね。
[――八百万の神、とはいうが。それだけいれば、まさに、ピンからキリまで。 元々が神であった存在は、自分たちのような、元は野性の動物などが歳を経て神格を得たのとは格が違う。
そんな存在が出張ってきているなら――いささか、覚悟を決めねばなるまい、と]
(102) 2014/09/30(Tue) 23時頃
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まったく――この肉も、漸く、馴染んできたんじゃがね。
[かつての身体を失った理由は、イタチは知っている。 あの下らない理由に比べれば、今回この事態のなかで使い潰すのは本望というべきだろう]
……齢三千をとうに過ぎても、真のひとがたには少し遠いの。
[洋装を脱ぎ捨てれば、未だしつこく残る尻尾がひとつ、ふさりと]
時間があれば、梳かせてやるところじゃが――ま、別の機会としよう。
[結局、手伝いもほぼ要さず、かつての衣装を纏っていって]
……こんなところか。どうじゃ、おかしくはないか。
[――紺地の小袖に、やや明るめの切袴。 その上には金糸の装飾が施された白の小袿を羽織り、胸には宝玉を提げて]
(118) 2014/09/30(Tue) 23時半頃
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――……ま、こんなところか。 ではな、往くとしようか、イタチよ。
[その衣装には不釣合いの大太刀を、背負って]
ちと、まぁ……鬼が出るか蛇が出るか――どころではないがの。
[と、向けた笑みは、幾らか引き攣っていたかもしれない]
(119) 2014/09/30(Tue) 23時半頃
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調律師 ミケは、メモを貼った。
2014/10/01(Wed) 00時頃
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……うむ。
[伴をするというイタチの言葉に、平静ならば当然と頷くところだが]
まぁ……ここは、あれじゃな。 付き合わせてすまんと、言っておくべきところかの。
[そうして、そんな言葉を発した己を嗤うように失笑を洩らして]
――よし、往くぞ。 鍵を探し、剣を抑え、不埒者を排する――それが神であってもな。
(130) 2014/10/01(Wed) 00時頃
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……は、ぁ? 待て、待て、待て待て待て……!!
[前方――争闘の気配を、察して]
……のう、イタチ。 面白いもの、な……あれと違うか。
龍が……龍神が見えおる。 おかしくなっておるのでなければ、見間違えではないと思うんじゃが……。
[遥か前方――人界とは思えぬほどの妖気神気がぶつかり合う渦を、指して]
(139) 2014/10/01(Wed) 00時半頃
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