81 【飛び入り歓迎】魔法学園バトル鬼ごっこ
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―― 回想・体育倉庫 ――
……
[息を殺し体育倉庫の中に篭る事、十数分。 >>1:57 どこかから響いた微かな音と揺れに眸を瞬かせた。 既に始まっているのだと知れば、腕章をそっと撫ぜる。]
もう少し。
[今、表に出るのは得策ではない。 本来のスタイルであれば、 攻撃的に相手を駆逐するのだけれど。 たった一回しか使用が許されていない魔法を、 使ってしまえば、あとを切り抜けるのは困難だ。 回復試験を受けた所で、同じ魔法は恐らく二度は使えない。]
(4) 2013/05/11(Sat) 00時頃
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えっ
[そんな時だった。 制服の内ポケットにしまいこんでいた 銀色の手帳が鈍く輝き始めた。 まるで蛍がその場所で鈍く発行するかのように。]
なに、これ。
[手帳を取り出してみれば、その発光が段々と丸みを帯びて ゆっくりと手帳から離れようとしている。 本能的に悟った。これは自分の手に負えないものだ、と。 しかし不思議と悪い感覚はうけなかった。]
―― 回想・了 ――
(8) 2013/05/11(Sat) 00時半頃
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―― 現在・体育倉庫 ――
あの、さ
[発光からどれほどの時間がすぎただろうか。 時間にすれば十数分もないくらいだったかもしれない。 しかし体感的にはもっと長くも感じていた。 その理由は目の前の光景にある。]
あんた……何な訳?
(12) 2013/05/11(Sat) 00時半頃
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[発光した物体。 それが今、目の前でえっちらおっちらと準備運動をしている。 掌ぐらいの大きさの白い翼の生えた少女だ。 パッと見はまるで天使のようにも見える。 しかし。しかしだ。]
……何かすっげえアタシに似てるような気が。 気のせい?
[首を傾ぐ。 天使は此方に振り向いて、にししと笑った。 茶髪に釣り目の天使だ。なんだか腹が立つ。]
(14) 2013/05/11(Sat) 00時半頃
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『マモル!マモルヨ!』
何を?
『マモル!』
だから、何を。
『イッ!』
[雲を掴むような会話だ。 イッ、て何だ。イッて。白い歯を見せて笑いながら ぶるぶる震える天使は、うちの学園の制服を纏っている。 そ、と近づいて手を伸ばす。]
あ
[触れた。なんだろう。 ちょっと暖かい。]
(17) 2013/05/11(Sat) 01時頃
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って、ちょっと待って。 何でさわれるの?
[普段ならありえないことだ。 召喚系の魔法を得意としているならまだしも。 得意なものは幻覚系であり、英語だ。 そのどちらにも、贔屓目に見たって掠っていない。]
『ラーララー♪ ホシイダケー♪ママッチチー♪』
…
[しまいには歌いだした。 両手で掴んで、やめなさいと小声で囁いた。]
『アイッ!』
[謎の相槌と共に、歌声が止んだ。]
(19) 2013/05/11(Sat) 01時頃
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あんた何なのよ、一体……
『フィー』
は?
『フィー』
フィー?
[天使は舌っ足らずな口調で同じ言葉を繰り返す。 もしかして、名前。 小声でそう、問いかければ にこぉり、笑って、フィ、フィ、と何度も繰り返した。]
(25) 2013/05/11(Sat) 01時頃
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とにかく ちょっと静かにしてなさい あんたの事は後で考えるから
[この小さいのが騒いだせいで見つかった。 そんな事態は極力避けたいが。 鍵は内側からでは閉められず、 見つかるのも時間の問題かもしれない。 しかし、時間稼ぎくらいにはなるだろう。]
『ヤッ!』 や、じゃない。
『ヤッ!』
[そんなやりとりをしている最中。 床に置いた手帳が紫と黒が混じったような 色の靄で包まれている事を、この時はまだ気付なかった。]
(26) 2013/05/11(Sat) 01時半頃
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―― 体育倉庫 ――
……
[手の中の天使は未だ訳の解らない言葉をつぶやいている。 にっこにこ、と笑う顔は自分に瓜二つだ。 顔を近づけて、鼻先で触れてみる。]
何がそんなに楽しいのさ
[素朴な疑問だった。 自分はこれほど、無邪気に笑う事があるだろうか。]
(56) 2013/05/11(Sat) 23時半頃
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それより、アタシちょっとお腹空いたよ あんたは?
『水遁の術』
…
[何だか今の一言だけ物凄い流暢に喋った。 思わず耳を疑ってしまう。]
いま、なんて?
『スイテル!』
[あれ? 首を傾いでも天使はにこにこするばかりだった。]
(59) 2013/05/12(Sun) 00時頃
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ま、まぁいいや。 じゃあさ。
[天使を両手に掲げ、立ち上がる。 頭よりもずうっと高い位置にある小窓に、 えい、と手を近づけてみた。]
ここ。 ここから出て、何か持ってきて。 出来る? 二人分。
[問いかけてみた。出来るのか。 暫しの沈黙。]
(60) 2013/05/12(Sun) 00時頃
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『カタイ』
[こっこっこっ。 天使が小窓をノックした。 ええい、と端を掴み、ぐいぐいと開けていく。]
『オーエス!オーエス!』
いちいち五月蝿いよ
『オーエス!オーエス!』
[もうちょっとだ、がんばれ。]
(62) 2013/05/12(Sun) 00時頃
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あいた…!
『オイッしゅ!』
[開放された小窓から風が吹き込んでくる。 天使は風に煽られてふらふらしたが、 やがて態勢を取り直すと]
『イテキマ!』
よし、いっといで
[言葉を残して、窓の向こうの世界へと消えていった。 大丈夫だろうか。不安が募るが。 もう少し、様子をみるつもりだ。]
(65) 2013/05/12(Sun) 00時頃
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―― 体育倉庫→校内・廊下 ――
[体育倉庫から放たれた天使は、てこてこと走り出した。 翼がついていても、飛ぶ気配は微塵も見せない。 周りの状況などお構い無しに、鼻をくんくん鳴らし 匂いのするほうへ突き進んでいく。
校内に潜り込むと変化した風景に眸を煌めかせた。 右から、左から、美味しそうな匂いがする。
『ァィー!』
小さく鳴いて、その場でぴょんと跳ねる。 何処へ行こうか。 あっちこっちに、目移りしているようだ。]
(67) 2013/05/12(Sun) 00時半頃
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―― 校内・廊下 ――
『イァッ』
[移り目の最中、天使は大きな何かに接触して尻餅をついた。 ぷるぷると首を振り、その先を見上げた。 主とは随分と違う、見た目。 比べれば、背丈も大きくがっしりとしていて、 何よりその目の鋭さに、]
『ィィィ…』
[少し、驚いてしまう。 ぷるぷる震えながら、一歩退いた。 >>92 しかし摘みあげられて、]
『ヤッ!ヤッ!ァァァァ!』
[身体を小さく振って抵抗を試みる。 じ、と見つめられて、ぴた、と動きが止まった。]
(93) 2013/05/12(Sun) 14時半頃
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[誰かに似ている。 そう言われて天使は考えた。沈黙。 考えに考えた末に、]
『うひゅっ』
[歪な笑い声と共に、 主そっくりな微笑みを攻芸へ向け]
『フィー』 『フィー』
[両手をぱたぱた動かしながら、名前を主張した。 とても、コミュニケーションが取れるとは言い難いが。 攻芸にはどう伝わるだろうか。]
(94) 2013/05/12(Sun) 14時半頃
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[天使は自身を摘まみ上げる指先をじっと見つめた。 主のミルフィよりも筋張った指先。 くんくんと匂いを嗅いだ。]
『…』
[再びの沈黙。 後に、小さく頷いて、にっこりと笑った。 攻芸の指先に頬を寄せて、すりすりと擦り付けた。 その様は、まるで犬のようにも見えるかもしれない。]
『んんんんんー』
[ご満悦な声を漏らし、頬を擦り寄せ続けた。 どうやら攻芸の事を、とても気に入ったようだ。 暫くはミルフィの元を離れ、 彼のあとをついてあるくかもしれない。]
(95) 2013/05/12(Sun) 15時頃
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―― 体育倉庫 ――
あ、あんた
[天使が居なくなって数分後。 手帳を拾おうと振り返ると、それが靄に包まれているのを知る。 触れようか触れまいか悩んでいると、 突然手帳から吹き出した、"悪魔"。]
『ご機嫌よう』
[それは、矢張り自身に瓜二つの見た目だった。 翼を擁している。 しかし、天使と違うのはその色、大きさと格好と雰囲気だ。 言い換えれば、見た目がミルフィに似ているという事以外は 別物の存在が、其処には居た。]
(96) 2013/05/12(Sun) 15時頃
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どういう事よ、これ
[手帳を見る。 靄は収まっているものの、其処に許容される残点数は たったの"1"しか残っては居なかった。 何かの能力が少しでも触れさえすれば 即刻戦闘不能になるレベルだ。 "悪魔"は、そんなミルフィを見て底意地悪く笑った。]
『いいじゃない。普段のあんたなら使役出来ないのに。 "落ちこぼれ"が、私のような高等精霊を呼んだ事自体、 私からすれば、腹立たしいのだけど。』
…
["悪魔"に振り返り、睨みつける。]
(97) 2013/05/12(Sun) 15時半頃
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[黒く大きな翼―――。 茶髪に釣り目で、大きさはミルフィと然程変わらない。 しかし、随分と感じの悪い笑みを浮かべ、 茨のようなものが衣服のようにまとわりついているだけで、 ほとんど全裸と変わらないような格好をしている。]
結果はどうであれ、貴女は私の精霊なんでしょ。 名前を言いなさい。
[あえて強気に出るが。 此方の心中を把握するように"悪魔"は胸元で腕を組み、]
『知っている癖に。 あなたと会うのは初めてじゃないでしょう?』
[強気な語調で返してきた。 知らないはずも無い。こいつは姉の。 タバサの、*幻覚精霊なのだから*。]
(98) 2013/05/12(Sun) 15時半頃
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