251 洋墨と躍れ、心の随に
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[金枝篇。それは、人類学者であるジェイムズ・ジョージ・フレイザーによって著された書物である。
古代ローマ時代、イタリアはネミにはある慣わしがあった。ネミには聖なる処、聖なる木立があったが、そを守る「祭司」たる役目の男は、常に己を殺す存在を恐れていた。――祭司とは祭司を殺した者である。「金枝」を折り取り、祭司を殺せば、その者が新たな祭司となるのだった。 何故、祭司は殺されなければならなかったのか? そして、金枝とは何か?
これらを承前として、書物は綴られる]
(30) 2018/10/12(Fri) 18時頃
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[始まりの疑問に答えを出すために、 ・・・・・・ それは極めて迂遠な道行きを辿る。 それは古今東西の習俗、神話、信仰、タブー、呪術、等等について、夥しい例を収集し記録した、一種辞典に値する「研究書」である。精霊信仰、王殺し、類感呪術と感染呪術、スケープゴート、神殺し、あらゆる類型と推定を積み重ね、始まりへと立ち返る「物語」である。
それは、ミュトスにして、リアルである。
それは民俗学、また神話学・宗教学に於いて、現代にても未だ、基本の一つとされる書物である。 「膝掛椅子の人類学」「書斎の学問」 実地に赴く事のない、地面を踏む事なく成された研究は、膨大な参照と引用による「書から成った書」は、その点で批判を受くる事もあったが、]
(34) 2018/10/12(Fri) 18時半頃
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[その点を退ける程に、 比してあまりある程に、 その蒐集は比肩なく厖大であったからだ。
初版は二巻本から始まったその書物は、 四十幾年の刻、蒐集を、加筆を、繰り返し、 果てなく積み重ねて、 終わりには、全十三巻の大部となった。
――これは 尽きない 蒐集の 書物 語り続ける 書物 で 在る]
(46) 2018/10/12(Fri) 19時半頃
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・・・・ [余談だが、 その書物の結びの直前には、 以下の題の章が綴られている。
「民話における外在の魂」 「習俗における外在の魂」]
(50) 2018/10/12(Fri) 20時頃
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[――民俗を蒐集した書物。 呪術書とする「異説」も在る書物。 語り続ける書物。
そのコトダマ 言弾は、 言霊である。
それは生贄の篝火をいだす。 それはまた、対するものを「生贄」とする。
対するものを、 あるいは「王」として。あるいは「悪霊」として。あるいは「神」として。 語る、定義付ける、 蒐集し加筆する、 存在への干渉、 騙る<物語>を語る<現実>と換える、一つの「呪術」である]
[それ自体も、今や――喚び起こされた時より、語られているものである*]
(59) 2018/10/12(Fri) 20時半頃
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[飛び立った炎は、樹木を焼き、黒炭と化す。その様をは一瞥だけして、それは再び「悪霊」を目に映した。 作った色もない変わらない笑み、その面持ちにて、その面持ちたる唇の紡ぐ言葉を聞く]
――マタイの福音書、
ガリラヤを越えたその地にて、 悪霊に憑かれた若者達がいた。 彼らを訪ねたイエスは、 悪霊にその御身を認めさせた。
悪霊は彼によって豚の身へ移され、 豚達は溺れ死に、 地にある者らは彼を追放した。
(74) 2018/10/12(Fri) 22時頃
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[そして続ける、差し挟むように口にしたのは、彼が示すその物語の、聖書の一節だった。語る響きは、他の民俗を――未開の信奉を――語るものと、変わりもなく]
……忌むべきを移されたものは、 しばしばそれと共に殺され、 殺されずとも、追放される。
あるいは一年を死者ととし扱われる事も、 忌み名を与えられる事も、通例である。
豚が「悪霊」として殺され、 「神の子」が「豚殺し」として地を追われた、 それは類型の儀式の中でも、 ブルゴーニュの初穂収穫によく似ている、
(78) 2018/10/12(Fri) 22時頃
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……
[半ばに、それは一とき声を途切らせる。己が発したものではない、水音を、濁りめく気配を、聴き取って―― 直後、溢れる水。 燃える樹木を、鎮め落とす、その様を。 間もなく、銃身持つ、その姿を、見やった時には。目が合うように。恐らくその銃口は丁度、それの外郭を捉えていただろう]
(79) 2018/10/12(Fri) 22時半頃
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[その弾丸は、狙いからは逸れ、だが外れる事はなく、それの左上腕を撃ち抜いた。外殻は、弾丸を弾く事はなかった。バルドルのように加護を与えられたわけではない、鎧状は]
――
[面持ちには痛覚はなく。 それは空いた穴を見下ろし見る。 霧散するでなく、穴として残った、弾痕を]
…… これが、君の言弾か。 語れる悪霊語る、「悪霊」たる者よ。
(84) 2018/10/12(Fri) 22時半頃
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少なくとも、魔法ではない。 私は魔女でも魔法使いでもなければ、
そう、王になる事も、有り得ない。
私はただそれらを知るもの、 あるいはその死を識るもの、 ただ、書物なのだから。
[頭部を打ち破った「オズ」の、感心めかす言葉を聞けば、再びその一片を繰り返して]
楽しみなどというものは、 無論、求める由も、焦がれる由もない。
[、沈黙する。のは、その言葉に対してではなく。続く――願い、願いを冠する提案、にだった]
(97) 2018/10/12(Fri) 23時頃
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――願いの数は問うまい。
叶え得るか、得ないかで言うならば、 それは前者たるものだろう。 尤も、それは、 ・・・・・ 逃される者の同意によりて、
何より、代償を赦しもしないものだが。
[呟くように返す、 片方の去るなら、止めはしまいと、 片方ならば、止めはしまいと――紡ぐ]
(107) 2018/10/13(Sat) 00時頃
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[逃される者と、 見出された彼は、しかし、 その選択を望みは しなかったらしいと、
情感なき書物にも、 その事実は推定として知れるところだった。
――空が暮れる、
暮れる、傾く陽光の橙に、
その下に、それは再び手の内に棒状を、 先端鋭き――「金枝」を現して、 その枝は眩くまた昏く、 反射していた**]
(147) 2018/10/13(Sat) 03時半頃
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――夜が来る。
[空が暮れゆく、その中に。 それはぽつりと言葉を発した。 「彼」の「科白」と、前後して。 空を仰ぎ見る事もなく]
(255) 2018/10/13(Sat) 22時半頃
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人間は古より夜を恐れた。 夜の闇を恐れた、 恐れたそれは、 最も古くは獣を。 新しくは、隣人ならざる隣人を。
そして、文化の松明を得た「現代」までも、 消え去らず在るのは「悪霊」であり、
それらはつまり並べて、 「死」であるのだった。 人間にとり、分けても、未開なるか、 迷妄なるかの者においては、
夜は、その闇は、 死の象徴、あるいはそのものに相違なかった。
(256) 2018/10/13(Sat) 22時半頃
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[そして訪れる、「夜」に。浮かび上がる、数多の人型をそれは目に入れた。語り続ける「彼」の傍らから――その姿姿は、手を伸ばす。伸ばされた手は、それの身を戒めようとする、]
――……
[信ずるか、信じないか、その指標は、それの内にはなく。記し持つところで言うのならば、それは、悪霊とは迷信なると、示す。 だが。 「悪霊」を語り、「悪霊」を――その一なる彼を――殺し得ると「語る」、現に於いては。 諸刃の剣のそのように、 「悪霊」の干渉もまた、事実となる、のだった。
手は、それの四肢を掴む、金枝持つ右腕を、漣の上の足を掴む、 確かに質量ある存在として]
(265) 2018/10/13(Sat) 23時頃
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[留められたそれの、胴を、その外殻を弾丸が抉るように掠める。金枝持つ手首を、やはり掠め撃つ、 その命中により、それが揺らぐ、 あるいはまた、切っ先を取り落とす事は、 なかったが]
, .
Cum excusatione itaque veteres audiendi sunt.
[ふと、口から溢れた一節。 そは他ならば零し得る、呻きや吐息の、 欠片に、値するものと―― 聞いて取れたかもしれなかった]
(270) 2018/10/13(Sat) 23時半頃
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/* 今晩は今晩は。 兎にも角にも読み込めておらず申し訳ないのですが、此方はオズさん落ちもあり、悪霊さんは除外かなと。 意見出てますキェルケゴールさんは、妥当なところかと、思います。
(*27) 2018/10/14(Sun) 00時頃
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[それは、ある種の民話に沿おう。 またはある種の神話に沿おう。 思った そう、その寓話を見て、それは、考えたのだった]
(291) 2018/10/14(Sun) 02時半頃
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[ただ書物なるを憐れむその、それと異なり情感に満ちた、「物語」なる姿に。 それが再び眼差しを向けたのは、「夜の明るさ」を語る声の、末尾。夜は死のみにあらずと紡がれた、そのところにて]
夜は死ならずと、 呪術ではあらず、信仰でもあらず、 語る。
物語る、物語は、詩人に近しい。 そう、その形は魔女ならず、 善き魔女ではならざる者なれば、
それは「詩人」とも呼ばわれて、 流れる時を喪った後には、 無辜にても地獄に堕とされ得るものだ。 かのウェルギリウスの、そのように。
(292) 2018/10/14(Sun) 02時半頃
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[語る、かたる言葉を、今度は彼に向けかけて――開いた唇を、ふと閉ざす。その、向けられた言葉を聞いて。 対価を差し出す、 対価を乞う、 交換を持ち掛ける言葉を、聞いて、 ……沈黙する]
………… ――
(302) 2018/10/14(Sun) 03時頃
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…… 私は、 その契りに、応じよう。
私は私の求むるを君より得よう。 私は君の求むるを君に与えよう。 その定めを、私は、是としよう。
この交わされるは、 破られる事はけしてないだろう。
そう、死にも、悪霊にも、 あらゆる外なるものに、 破られる事は、けしてないだろう。
[一ときの、沈黙が過ぎて。 それは、厳かに、応じ、語った。 絶対を――「語った」。]
(303) 2018/10/14(Sun) 03時半頃
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――私を喚び起こした者は、 王ではあらず、山羊でもあらず、 「書記官」である。
書物を集めたる者ら、 その内より叛逆せる、 者である。
[語る、半ばには、彼に。 そして近く在る「悪霊」に。 眼前に、無貌なる人型の印象が、霧に色付けた如きかそけきに、浮かんだだろう]
――私の他に在るは、 同じく書物なりて開かれたものが一冊、 そして、書物なりても「開かれない」もの、 「焚かれた」ものが、 二冊、ある。
(304) 2018/10/14(Sun) 04時頃
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[秘匿を科せられたわけではなく。 自ずから科する裡もなく。 目的を果たすばかりに在るそれは、 対価たるを、口にする]
[そして、それは、 金枝を伸ばす。
金枝を、より強かに、より鋭く。 短剣めいた形に変えて、 ――投擲する。開かれたその手から、金枝は飛び立つ、ひとりでに投擲されていく。宙を切って、 真っ直ぐに、その「物語」の胸へと、進んでいく。 盲目の神が唆され下した、悲劇の一撃のように、 外れる事なく、 切っ先は、 貫く。
それは阻まれる事はない。悪霊の手が伸ばされようとも、「悪霊」の弾丸が放たれようとも。破られぬ契りとして語られた、その達成は、阻まれはしない]
(305) 2018/10/14(Sun) 04時半頃
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[――そして、 その「物語」は、 「オズの魔法使い」は、霧散する。
最後まで、笑顔を残して。
寓話は、 美しいエメラルド色を咲き開かせて、 消える、
洋墨に、戻る]
(306) 2018/10/14(Sun) 04時半頃
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[その洋墨は、彼を「殺した」金枝へと吸い込まれ、消える。金枝は、それの胸元へと、突き刺さるように戻り来て、淡く輝きを零し散り、形を失う。 蒐集の書物たるそれは、 それをその頁に、蒐集し、]
……、――
[一たび。 眉を僅かに寄せ、唇を震わせて、 「不快そうな」顔を、*した*]
(307) 2018/10/14(Sun) 04時半頃
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……
…………
………………
(*29) 2018/10/14(Sun) 04時半頃
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|
/*
心か
が現実味を帯びてきました
(-195) 2018/10/14(Sun) 05時頃
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