80 あの日、僕らが見た空は
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[頭がぐぁんがんなる鳴るのは、 やっぱり僕のせいなのでこれ以上文句は着けまい。 あの二人組の子たちが蹴飛ばしてったドアも 立てつけがおかしくなってることだろう。 さっきの僕と同じぐらいひどい音がしたから。
僕は自分の分の紅茶を口に運んだ。 あの男の子たちとの話のことを、僕は聞かない。 聞いたってどうしようもないと思ってるからだ。 だから僕は、真っ赤な手紙についての話をする。 白衣のポケットに突っ込まれてた、趣味の悪い封筒の中身]
えっと、読みますね いつものとこからですけど、 心臓売買の契約反古についてと、 それのとりなしー……みたいな
(@0) birdman 2013/04/29(Mon) 13時半頃
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[僕は手紙の内容を読み上げる。 下層の養育所から出荷するはずの心臓が出来なくなったと、 かわりに契約を代行してくれないかと。 心臓は、双子の片割れがいるから、おそらく適合する。 一度反古にしてしまった手前、信頼が薄い養育所に代わって、
――あ、もう読まなくていいの。 ミナカタさんが手を振ったのを視界の端でキャッチして 僕は口を閉じた。]
『断っとけ』
[その一言ですべてが終わるんだから、 やはり一人で行う業務というのは楽なもんなんだなぁ と僕は感心する。 僕の父親は、いつだって組織の中にいたから ミナカタさんみたいな大雑把さは、ここに来た当初 それはそれは慣れないものだった。]
(@1) birdman 2013/04/29(Mon) 13時半頃
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了解です、 とミナカタさん
[ミナカタさんもお茶を飲んで人心地ついたみたいだから せっかくだし今朝の本について物申しておこう。 物語の起伏があるハッピーエンドは大嫌いなんだって。 最終的な幸福を約束させられた上で、 主人公が葛藤し苦しみ、泥沼にはまる過程なんて見たくもない。 どうせ幸せになれるんだから、 徹頭徹尾幸せのままでいいじゃん。 無駄に僕の心臓を傷めない欲しいんです。 だからもっと、買うなら面白い本をって、 言おうとしたら、ミナカタさんが遮った]
(@2) birdman 2013/04/29(Mon) 13時半頃
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『27番の購入者、目途が立ったそうだ』
[目線が合わなかった。 お茶を持つ手は震えていた。
なんて、そんなことはなく。 僕もミナカタさんも、飲みかけのお茶さえも 表面をゆらすことなく普通の顔している。 結局、僕らにとっても商品は商品なだけだった。 それを申し訳ないと思うことなく、僕は了解を告げる**]
(@3) birdman 2013/04/29(Mon) 13時半頃
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[僕は商品を届けに行く前に、 溜めてしまった書類を片づけることにする。 一枚たりとも白い紙を残さず、とは思ったけれど やはり重複があって、僕の机の上には 数枚の白い紙が残ってしまった。 残っているのは重複だってミナカタさんに 声をかけているので、明日間違えることは無かろう。]
…………
[何を書こうか考える。 考えながら助けを求めて机の上を見渡したら あの女の子が置いてった飴玉に気が付いた。 甘い。下で買えるにしては高級なお味だ。]
(@4) birdman 2013/04/30(Tue) 11時半頃
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[この飴玉よりももっとずっと深い色の目をしたあの子は、 物語の続きをちゃんと歩んでるんだろうか。
口の中でからころと転がる飴玉を あっちこっちに動かしつつ、僕は改めてペンをとった。 書けるものは依然としてない。 書くべきものも、やっぱりない。 だから僕は自分のラベルを作る。]
≪Name. ***** チアキ Sex.M Age. ... ... ... ... ... ≫
[客観的事実なら、書けるほどあった。 だから僕の最後の作品は、黒に塗りつぶされそうになった。]
(@5) birdman 2013/04/30(Tue) 11時半頃
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あ ミナカタさーん 飴食べますか これ美味しい
[所長室から出てきたミナカタさんに持ちかけた。 こっちへ来たミナカタさんは、飴を口に入れながら 僕がいままで書いたものを見る。
けど僕はそれよりも飴と一緒に置いてあった 紙袋のほうが気になって。 がさっと手を突っ込んで、取り出した]
(@6) birdman 2013/04/30(Tue) 12時頃
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[最初、小汚い紙だと思った。 けど開いた中には、赤く掠れたキスマークと、 それから僕の名前があって、 僕は何故か、喉の奥か横隔膜のあたりを 擽られたような気になってくつくつと肩を揺らした。 その紙を顔にぎゅっと近づけて、そうして笑ってた。]
『おい……この紙なに書いてんだ』
えー……、ふふ、僕の情報ですよ 書いてあるのはいろいろ
[ミナカタさんの声が僕の楽しい時間を邪魔する。 笑う声が混じった返答をすれば、 ミナカタさんはつまらなそうに僕のラベルに書き足した。 おそらく彼が一番知ってる、 唯一書ける単語群から引っ張り出して]
(@7) birdman 2013/04/30(Tue) 12時頃
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≪product ID.27 Use for Lungs ≫
『お前はこれで充分だろ』
[僕の細かな情報の部分を 綺麗に折りたたんでちぎってぽい。 僕は愛想笑いの亜種の様なものを浮かべて ひどいなあ、とそれだけ言った。 手首に嵌めたタグもかちゃりと声を上げた。
ああ、そろそろ行かなくちゃ。 僕の購入者が、成長した息子を伴って 新しい肺の到着を待ってるだろう。 僕は戻ってきてくれたキスマーク付きの紙飛行機に そっとキスをして、もう一度、窓の外に放った。]
(@8) birdman 2013/04/30(Tue) 12時頃
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[けどあれはただ落ちる紙屑だ。 もうすでに紙飛行機の形じゃない。 だって飛ぶ必要もないし。
灰色の窓から見上げるいつもの空は、 いつものように四角くて無愛想だ。 だから僕は、小さいころの想いを引きずる。 僕の最後の紙飛行機は、海を見れるかしらん。 天使サマ、僕の願いは叶うかしらん**]
(@9) birdman 2013/04/30(Tue) 12時頃
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[ああ、いい天気だ。 主人や子どもたちが、会社やら学校やらなんとかさんとのお茶会に出かけるのを見送る。 どうせ夕方まで帰ってこまい。 ……いや、することはやまとあるのだけれど。 朝ごはんの片付け、家中の掃除。 そして言いつけられた庭の掃除。
もちろん専用の庭師はいるのだけれど 落ち葉の掃除は自分の仕事だった]
(@10) 黒猫 2013/04/30(Tue) 17時頃
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[それなりの光は当たる。 空が青いのもわかる。 大きめに切り取られた四角い窓、けれどそのむこうは知らない。 しゃかしゃかと箒を動かし、落ち葉をかき集める。 それを袋に詰め終えて、背を伸ばし。 さて屋内へと向かおうとすれば、目の端に捉えられた顔にめをぱちくりとさせて]
(@11) 黒猫 2013/04/30(Tue) 17時頃
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ゾーイ…?
[聞こえるようにはっきりと呼びかける。 こちらを向いた顔は、自分の幼少時とそっくりだった。 妹。 もう何年たっていただろう、もしかしたら自分のことなど覚えていないかもしれない。
そう思いながらも、声をかけずにはいられなかった]
(@12) 黒猫 2013/04/30(Tue) 17時頃
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ゾーイ、ゾーイなのね?
[主人がいないことをいいことに、妹に駆け寄って抱きしめる。 会いたかった。 なんど此処を抜けようと思ったか。 けれど、脱走した後のことを考えると、とてもではないが下へ戻るなどできなくて]
……どうして、ここにいるの…?
[は、と我に返って、妹に問いかける。 どうやってここまで来たのだろう。 そしてなぜ、来たらいけないと散々言われているのに来たのだろう]
(@13) 黒猫 2013/04/30(Tue) 17時頃
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空、に?
[窓の外を見る。 四角いものだと教えられていた空。 主人は時々空を飛んで何処かへ行っているらしいし、 奥様や子どもたちを連れて行くこともある。 その間、仕事が休みになってありがたい、位の認識。
それを、みに? あの窓の外へ?
無邪気に問いかける妹。 奥様や子どもたちが戻ってくるまで、時間は確かにあるけれど。 抜けだして、間に合わなかったら。 ほかのメイドに告げ口をされたら。 そんなことを考えて、すぐに頷くことはできなくて]
(@14) 黒猫 2013/04/30(Tue) 17時頃
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だめってわけじゃ、ぁ、
[エプロンを引っ張られる。 その体制のままで、バランスを崩しそうになって。
戻るのではなく、妹と走りだした。 スプリングヒルズと、この家しか知らない。 このまま一生を終えるなんて、つまらないと思って]
(@15) 黒猫 2013/04/30(Tue) 17時頃
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……あとどのくらい、かな。
[自分がいるところは、全体でも高いほうだ、というのはわかっていた。 それが、主人の自慢だったから。 だから、一番上まであとすこしなのは分かっているのだけれど]
……ねえ、あのドア。 違うかな。
[階段の終わりには、窓がなかった。 暗がりの中、そのドアの隙間から見える光が、 ぼんやりとそのあたりを照らしていた]
(@16) 黒猫 2013/04/30(Tue) 17時頃
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[しばしの沈黙の後、先に口を開いたのは妹。 飛び出してきた言葉に、瞬きを一つして。
少しだけ戸惑って、頷いた。 後に戻っても仕方ない。 小さな妹の手に自分の手を添えるようにして、ドアノブを握る。 ぎぃ、と音を立てて、ドアノブは回った。 力を込めて押すと、ドアはゆっくりと開き、 眩しい光が全身を包んだ]
(@17) 黒猫 2013/05/01(Wed) 00時頃
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[形のない空。 吸い込まれてしまいそうなほどおおきなそれに、妹と同じように立ちすくんだ。 空は、偉い人のものだって、そう思っていたけれど そんなことはなく、目の前に広がっていて、]
ゾーイ。
ありがとう。
[無理にでも連れだしてくれた妹に、笑いかける]
(@18) 黒猫 2013/05/01(Wed) 00時頃
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拾った?何を?
[妹が差し出すものを受け取る。 エメラルドだろうか、緑色に見える宝石がついた、指輪]
……色が変わったの?
[信じられない、というように聞いたけれど 妹が嘘をつくとも思えなくて しばらく考えこみ]
売りに、いってみようか
[何度か主人に付いていったことのある宝石屋。 そこでなら、何かわかるかもしれない。
……なんせ、そこの主人は 昔、スプリングヒルズにいたのだから]
きっと高く買ってくれるよ。パンもたくさん買えるかも。
(@19) 黒猫 2013/05/01(Wed) 00時頃
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……もう、空はいいの? せっかく上まで来たのに。
[早くも戻ろうとしている妹の後を追う。 きっともういいのだろう。 あと数年かした時に、どうか妹がこの日を、この空を覚えていてくれるといい]
はいはい、今行くよ。
[色の変わる宝石をポケットに仕舞って、妹とともにドアノブに手をかける。 ぱたんと小気味いい音を立てて、ドアは閉まった*]
(@20) 黒猫 2013/05/01(Wed) 00時頃
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