84 ― 手紙 ―
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
4日目
5日目
6日目
エピローグ
終了
/ 最新
1
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
|
[
「幸運のナイチンゲール、どうかあの窓辺で歌って。 どうかどうか、皆が幸せになりますよう――」
少女は祈りを混め、青白い月光の下で一人祈った。 金色の光射さぬ明日などないと、ひたすらに希い。
組んだ手に震える唇をそっとつけて 夜明けが来るのを、待っていた――
]
(+0) 2013/05/28(Tue) 00時半頃
|
|
[ガタン!
と、大きくテーブルは揺らめき、インク壷があわや滑り落ちそうになる。慌ててそれを押さえ、ペンを握り締め、肝心の原稿を抑える手はもうどこにもなかった。]
あ、ああ…… 汽車なんかで原稿は書くものではありませんね。
[車内の揺れがおさまると、インク壷から手を話し原稿を拾った。]
(+1) 2013/05/28(Tue) 00時半頃
|
|
―― 電話口にて・回想 ―― ――ジェフリー・キースです。 ……ご無沙汰しております。
『久しぶりだな、ジェフリー』
お手紙、ありがとうございます。
『突然すまなかった。 けれど君しか良い人選が浮かばなかったんだよ。 それで、どうだね?』
私でよければ、お受けしたいと……ええ、……
『それはよかった。最近は警校も人員の入れ替わりが多くてね、すぐにでも君に講師として来てもらえれば……』
――、ですが一つだけ条件が……
『出来るだけ考慮しよう』
(+2) 2013/05/28(Tue) 00時半頃
|
|
――私をもう一度、 生徒として警察学校に入学させてください。
(+3) 2013/05/28(Tue) 00時半頃
|
|
―― 汽車内 ――
[窓の外に、住み慣れた街の風景が見える。 遠く遠く、小さくなっていくそれを、目を細めて眺めていた。
自宅はまだ借り上げたまま、荷物も置いたままだ。 それ故に手紙が届かなくなることはないだろう。
――ただ、時折訪れてきてくれた小さな客人、ミナのために 窓辺に目印になるよう、一度首輪から外した喧しい音の鈴を引っかけてきた。]
(+4) 2013/05/28(Tue) 00時半頃
|
|
[上官からの手紙の内容は、警察学校の講師として招きたいという誘いだった。 素行もよく、取り立てて派手さはないが着実な勤務態度を評価されてのこと、とても嬉しかった。
仕事は確かに、向いていなかったと今でも思う。 けれど誇りに思ったあの職業に、もう一度挑戦できるのなら。
しかし一度は警察官としての職務から逃げた身、 素直に講師として返り咲くことは自分自身許せない。 だからこそ、その条件を申し出たのだった。]
(+5) 2013/05/28(Tue) 00時半頃
|
|
書き終わったら一度見ていただいて…… ああ、絵本のこともお話しなければいけませんね。
[だが青年は、小説を書くことをやめたわけではない。 ただでさえ厳しい警察の職務の中、それでも書き続けようと決心したのは 手紙を交わし、清かに友情を育んだ者たちへのせめてもの恩返し。
たとえもう二度と手紙を交わすことができなくなったとしても 本の内容で、跋で、感謝の気持ちを伝えるために**]
(+6) 2013/05/28(Tue) 00時半頃
|
|
[昨日、ジョージはレターセットを使い切りました。 ジョージはその手紙に御伽噺を書きました。 嘘ではありません。 夢に見るような、望むこと。素敵なこと。 けして本当にはならないこと。 それらを少しだけ、紡ぎました。 いっぱいは書けませんから、 綺麗な便箋が一枚、余ってしまいました]
(+7) 2013/05/28(Tue) 22時半頃
|
|
[思い切って開いたもう一通。 ああこれがパパの文字なんだ、って 僕はパパと同じものが好きなんだ、って
そうジョージの目は語っていました。 すぐにお返事を書こうと私を手にして、そして 最後の便箋に一文、書いたのです]
(+8) 2013/05/28(Tue) 22時半頃
|
|
[ぽつんと書かれたその文章を、ジョージはずーっと見ていました。
机の上には封をしたあの子あての手紙。 本が一冊。 それに便箋一枚と私。 それだけ。
机の中には何もありません。 部屋の片隅には、ジョージがちゃんと一人で持てるくらいの、小さな鞄が転がっていました]
(+9) 2013/05/28(Tue) 22時半頃
|
|
[ジョージを呼ぶ声がします。 こんなに嬉しそうな叔母さんの声は初めて聞きました。 息子がテストで良い点でも取ったのかしら?
……違うことくらい、私はもう、わかっています]
はい!
[大きく返事をして、ジョージは鞄を抱えます。本を入れて、私を胸にさして、封筒に手を伸ばして 最後の便箋一枚は、くしゃりと丸めてポケットに入れました]
(+10) 2013/05/28(Tue) 22時半頃
|
|
[家の中には誰もいません。 叔母さんは手続きとかで一緒に行ってくれるそうです。外で待っています。 従兄弟は学校です。
一階に下りて廊下を進むジョージの耳に、ぴちゃん、と水音が届きました。どうやら蛇口がちゃんとしまっていなかったみたい。慌ててジョージは流し台に近寄ります]
(+11) 2013/05/28(Tue) 22時半頃
|
|
……溶けるかな
[指先を濡らして、ジョージは呟きました]
なくなるかな なかったことに、ならないかな
[御伽噺です。 魔法みたいなお話です。 文字にした出来事が、紙が溶けて消えるみたいに、なかったことになるなんて]
(+12) 2013/05/28(Tue) 22時半頃
|
|
[けれどね、ジョージ。 綺麗に整えられた便箋は、そう簡単に溶けないの。
ああほら、冷えて固まって、きっととても重くなってしまった。
もう行きましょうジョージ。 貴方が手紙を受け取ることはもうないでしょうけれど。私はずーっと傍にいるから。
手放さないでね。 私が代筆した想いを、忘れないでね]
(+13) 2013/05/28(Tue) 23時頃
|
|
[ジョージに向けて綴られた言葉がこれからも生まれても、暫く私がお返しすることは出来ないでしょう。
その代わりに、見た目だけは整った文字で、そっけない手紙が戻ってくるかもしれません。
ジョージはもういないから、手紙は金輪際出さないでくれ、って。
ジョージの名前を見るのも嫌なのでしょうね。 受け取って転送することだって、思いつきもしないのでしょうね。 ジョージ、ねえジョージ。 どうか、幸せになってね。 どうか、どうか――]
(+14) 2013/05/28(Tue) 23時頃
|
1
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
4日目
5日目
6日目
エピローグ
終了
/ 最新
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
トップページに戻る