246 とある結社の手記:9
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……言い当てるとは。
(*0) 2018/07/25(Wed) 01時半頃
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[――香る]
(*1) 2018/07/25(Wed) 01時半頃
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[――香る
血の香り
腐った臓腑の香り]
呪われし同胞の香り]
(*2) 2018/07/25(Wed) 01時半頃
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["声"が、聞こえた。表情は動かさない。(>>*0)]
(*3) 2018/07/25(Wed) 01時半頃
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[冗談じゃないわ。 私はうまくやってきた。上手くやってきたのよ。
悔しい、悔しい。 苛立ちばっかり募っていく。それは殺意に近い。
せめて、言い間違えれば。 人数を…言い間違えたなら。
笑って安心できたのに。]
(*4) 2018/07/25(Wed) 01時半頃
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[(>>8)彼女に視線を送った時、少しだけ、視線の奥の色が違った。瞬きをして、奥にしまい込んだけど。
溜息をつきたくなる。というよりは、実際吐いた。]
(*5) 2018/07/25(Wed) 02時頃
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[……ああ 忌々しい…忌々しい… なにもかもが…忌々しい…
あのサイモンも…結社の連中も… 下手を打った愚かな同胞も…]
(*6) 2018/07/25(Wed) 02時頃
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[…だから言ったのです。 村の住人に手を出すなと。
だから言ったのです。 狙うのは旅人だと。行商人だと。 消えても支障ない人間だと。
だから言ったのです。 喰らうならば骨までと。]
(*7) 2018/07/25(Wed) 02時頃
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[…ああ
…忌々しい …苛立たしい …煩わしい …憎々しい
おかげでなにもかもが… 一切合財のなにもかもが―]
…"台無し"ではないですか。
[吐息と共に零した声は、同胞の―もしくはそれに準ずる人間―の耳にしかはいらない。]
(*8) 2018/07/25(Wed) 02時頃
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[本当に、なんなのか。結社とは、なんなのか。 これからどうしていくつもりなのか。
解らない、解らない。 解らなくって、ただ苛々する。
上手くやってきたのに。 このまま過ごしていけると。 ずっとそう思っていたのに。
(>>*8)
聞こえた声には、共感しか抱けなかった。]
── 全くよ。
[だから、流れ出るように"声"がもれた。]
誰よ、 ポカやったのは。
(*9) 2018/07/25(Wed) 02時頃
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[ここは、人狼の腹である。]
(*10) 2018/07/25(Wed) 02時頃
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[旅人や行商人を……襲う?
襲うというのには、少し語弊があった。 誘い込み、会話によって次の旅先も知り、仲間に示唆して行き先をわかったうえで肉にする。
そうして得た肉を、ルパートは同胞である人狼らに、売っていた。 それは時に金で、時に行動で支払われる。 スージーに「性分かねえ」とルパートは言った。 ルパートは宿屋の主人をするように、誰かの世話をしてやるのが決して嫌いではない性分だったのだ。(>>0:263)) こと、人狼という化生の世界に於いても。
彼にとって人狼とは、いまや長年続けた生業であった。]
(*11) 2018/07/25(Wed) 02時半頃
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[だから、この宿屋こそ、彼にとっての胃袋であった。]
(*12) 2018/07/25(Wed) 02時半頃
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[長年その暮らしを続けてきた彼だからこそ、 年若い彼女らへ]
ってことは、やっちゃったのは、 おまえたちじゃあないってことなのかい?
(*13) 2018/07/25(Wed) 02時半頃
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[耳がとらえた同胞の声。(>>*9) かすかに鼻を鳴らして、視線だけを向けた。]
別のグループで縊り殺されている頃合いでしょうか。 愚鈍の末路など……興味ございません。
[腕に抱いた、うら若き乙女から立ち昇る甘い香りに、 すんすんと鼻をならして、*唇を舐めた*。]
(*14) 2018/07/25(Wed) 02時半頃
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[そう返される(>>*13)と、少しだけ沈黙した。 ── そう、実は、自分には少し否定できないものがある。
上手くやってきた、うまくやってきたと、思っているけれど。時折、怒りに我を忘れる事があって、その時のことをよく思い出せないでいる。
思い、出せないでいる。
だけどもそれは、言わないままだ。黙ったまま。 そうして黙ったまま、別のだれか(>>*14)のせいにできるなら、しておこう。と思って、]
そうね。
[とだけ返した。]
(*15) 2018/07/25(Wed) 02時半頃
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[ルパートにとっての"娘"ベッキーと並びたちながら、唇も動かさずに人狼のみに聞こえる囁き声でいう。]
あれはいけないよなあ。 村のやつばかりでなく、 結社員にまで手をつけたみたいじゃあないか。 あーあ、こんなことになっちまって。
[嘆きというにはどこか淡々として。]
人数まで正解に分かられてるってことは、 あの陰気なボウズはホンモノ中のホンモノなんだろう。
まあ、今夜は彼を片づける他ないだろうね。
[説明を聞き、サイモンの背を見送って、ルパートはベッキーを心配そうに見遣った。]
(*16) 2018/07/25(Wed) 03時頃
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[普段の肉はルパートに基本的にお世話になっていた。だから、彼の指示以外では基本的に動かないようにしていた。 性分、の裏に隠された意味も、正しく理解はしていて。この世界においてもそうなのだから、本当に根っこからそうなのだろうと思う。
私は違うけど。働かなくてもいいなら働かないし。無差別に誰かの面倒を見るなんてできない。
結社員の、アーヴァインという男、か。会ったことは……、…。会っていても、きっと今は思い出せない。]
全くよ。
忌々しい能力者、 偽物ならよかったのに。
[人間の動作とは、言動とは、剥離したように脳の裏側で会話する。ベッキーの近くまで行った時、うっかりそちらを見ないようにはしながら。]
……… うん。 正直、生かしておく理由、ないもの。
[一度瞬いた。]
(*17) 2018/07/25(Wed) 03時頃
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[あとは、まあ、そう。一度何も言われないで出ていかれたけれど]
そういえば。とくに確認したことがなかったけど、 ソチラさまは人間?
── 狼ってことはないね?
三人でなくて一人って言われてたら、 オレはちょっと ソチラと自分を疑ってかかったかもしれないんだけど。
(=0) 2018/07/25(Wed) 03時頃
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[ルパートという人を食ういきものは、村長アルフレッドの友人として、この村にある古い宿屋として、ローザス夫妻の昔馴染みとして、人間の夫として、ベッキーの父親として、かつての流浪の民の宿として――そんな風に生きてきた。ずいぶん長い間そうしてきた。
だから、この出来事は彼にとっても感慨深いことだった。]
ホンモノなうえにそのホンモノが 「もう一人いる」ってんだから、いるのかもね?
………。
[ユージンが占い師にはすぐに名乗り出て欲しそうにいう。 占いで、人狼を占えば、成否がわかるなんていう途方もない話、あの若者は可能性と感じるほども信じたのだという。]
(*18) 2018/07/25(Wed) 03時半頃
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こんなばかげた話、 信じようってやつもいるってことか。
[物珍しそうにユージンを眺める。]
だれが「ソレ」だ? だれが……これで誰か名乗り出たなら、 ……、……。
……。 …………。
おい、誰かあの占い師ってやつ、 できないもんかね?
[と、少し可笑しそうに訊いたのだった。**]
(*19) 2018/07/25(Wed) 03時半頃
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まったく。 ベッキーを見習ってほしいわ。
[とても素直に私の言葉を信じてくれる。 まあ、今の境遇、人狼に囲まれているわけなんだけど。]
実際、いるんでしょーね。もう一人。 ほんっと誰よ、どうにかしたい。どうにか、どうにか…。
いいじゃない、名乗ってもらえたら。 そっちも襲ってやるわ。
[ルパートのように計画を立てるのは不得手だ。でもその分、人狼としての力は強い。普段から夜に生きているからか、常に身体の調子は良いのが取柄だった。]
ああ、確かに。こっちが先に、嘘 ついちゃえば。
私はパス。 さすがにこれは無理でしょ。
[表で騒ぎ立てた事を振り返りながら言う。ちょっと早計だったとも思うけど、仕方はないし後悔もしてない。]
(*20) 2018/07/25(Wed) 03時半頃
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…ユージンは、まだ、信じてないのかも。 ……、……。
[ユージンの名を呼ぶときに、 少し警戒の色を込めながら。*]
占い師、 誰かが名乗るんだったら、信じてあげる。
仲間、だものね。
(*21) 2018/07/25(Wed) 04時頃
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···その御言葉、些か心外でございます。 このロイエが、あのような雑な仕事···ありえません。
[苛立ちからか、年配者から投げ掛けられた言葉(*13)に刺々しく答えてしまう。]
···サイモン···忌々しい。 ええ、仰るとおり···彼には消えていただく他ございません。 ···ですが、それは···“人狼がここにいる”という狼煙···
···必要ですね···覚悟が···
[二名の間で交わされる言葉に、注意深く耳を傾ける。 その手は、腕に抱く乙女の柔肌をじっくりと愛でていた。**]
(*22) 2018/07/25(Wed) 09時半頃
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[そんな時です。 あたしの耳元に囁きかけるように――いいえ、頭の中に響くように、声が聞こえたのは。 思わず驚いて肩を竦めてしまいましたが、誰にもみられていなければいいと思います。]
……あたし? あたしは、人間だと思っています。
何せ、オオカミだという自覚も根拠もありません、から。
ひとりなのに、ふたりぶんお疑いになるんです、か?
[現実を受け止めたくなかったあたしは、オオカミの他にももうひとり、それに与する者がいることを、意識できていなかったのです**]
(=1) 2018/07/25(Wed) 10時頃
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どーせもうバレてるんだし。 誰かまでバレたら、 それこそ問答無用で殺されそうな雰囲気よ。
ま、占い師さえ殺したら、後はなんとかなんじゃない? 全員ミナゴロシとか言われるんだったら、それこそユージンが言ってるみたいに皆で逃げたら良いのよ。
ああ、でも、もうひとり居るんだっけ……。
(*23) 2018/07/25(Wed) 10時頃
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[フーバー家の屋敷に潜む獣は、人肉を口にすることはなかった。宿屋で肉を買うことも、人を襲うこともなかった。質の悪い肉は、鼻と舌を鈍らせる。女の自論だった。
ロイエは、“飼育係”だった。屋敷で引き取った娘たちを“上質”なメイドに育て上げ、奉公に出す。遠方に住まう、裕福な同胞の元へ。
この獣には、最上級の肉を育てている自負があった**]
(*24) 2018/07/25(Wed) 10時頃
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[あの女が何をしてるかは一応理解している。でも、肉を食べない気持ちはみじんも解らなかった。
肉なんて、どれも肉だ。 食べられるならそれでいい。 喋る肉。ただそれだけ。 食べるときには喋らなくなるし。
だから、時折悪戯にメイドにお酒を勧めようとして、ひたっすらに睨まれるのだ。どれも本気ではないけれど。 ほら、家畜を飼育する時だって、餌にお酒を混ぜたら肉が軟らかくなるっていうじゃない?なんて戯れ言をいいながら。
ロイエもルパートも、“人狼“としての仕事をしていて、その点は尊敬している。でも、自分にそれが出来るとは思わない。どちらかというと脳筋だし、人としての暮らしも精一杯だから、出来ることと言ったらやっぱりルパートの手伝いくらいだと思う。]
(*25) 2018/07/25(Wed) 10時半頃
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[なんだかんだ、気に入ってたのだ。 今の暮らしも、同胞たちも。
それなのに、と思う。 結社員に、サイモンに、殺意と苛立ちが 募っていく。*]
(*26) 2018/07/25(Wed) 10時半頃
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[ロイエが刺々しく否定する。(>>*22)]
悪いね、小さいころから見知ってると、 どうにも子供扱いしちまって。 いやだねえ、年よりってのは。
第一あんたはろくに食べないもんな。
[ルパートの店から肉を買うことがないばかりか、ロイエが人を食う話をとんと聞かない。]
そうだねぇ…… ただまあ、仮にこのまま全員で逃げ出せるってんなら、 話は変わるんだろう。
[外の物音に耳をそばだて、期待はできねえがと微かにわらった。]
そうなりゃあ、あの陰気なボウズも そっとしておくことになるのかもな。
(*27) 2018/07/25(Wed) 12時頃
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