「ああ、それと坊や、君は二人殺せると勘違いしてるみたいだけど。
君、殺す選択間違ったらその時点で死ぬわよ。
誰かを殺す瞬間、あるいは誰かへの疑いが頂点に達した時、
それが『区切りの刻』。
私たちが力を発揮する刻でもあるわ、つまり間違ったらその時は私たちが容赦なく殺す。
君としては永遠に好きな先輩と居られる『死』の方がお好みかしら?
ここは輪廻の環から外れた場所。
いつか生まれ変わって一緒に、なんて願いも届かない場所。
君と相思相愛だった先輩は君が現世に帰る限りは二度と会う事はないわ。
文字通り二度と、ね。
また百物語をして扉でも開けば話は別だろうけど、
その時はまたゲームをしなくちゃいけないし。
それまで彼女がまともで居られるかも分からないわね。
これはお兄ちゃんとお嬢ちゃんにも当てはまるから
一人一人が必死にならなきゃダメよ?
じゃ、あとはお兄ちゃんのお願いを聞くだけね、御機嫌よう。」
黒い影のようなものが一瞬人の形を象ってすぐに霧散する、今の影がセシルと呼ばれる女学生だったのだろうか。
(#6) 2010/07/26(Mon) 22時頃