奇妙な術の効果がようやく消えたあと、君は何気なく鏡を見てしまう。壁に掛けられた姿見か、机に置かれていた古風な手鏡か。或いは水に映る影か、突如空中に現われた銀盤か。そこに君は映っておらず、代わりに黒髪の青年がいた。青年は言う。「これからおまえの偽物が現われる。どれが本物か、おまえのパートナーに当ててもらうといい。パートナーが選んだものが、本物のおまえだ。」青年が消えたあとの鏡には、何人かの君が映っていた。横を見れば、君自身と視線が合う。まったく同じ、驚いた顔をしている君と。
(#1) 2012/10/26(Fri) 23時頃
sol・la
ななころび
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