皆が扉の向こうへ出れば他の者とも顔を合わせることができただろう。
その部屋は然して広くもなく、丸い部屋の壁をびっしりと扉が埋め尽くしている。
きっと7人も集まってしまえばその狭さを実感できただろう。
扉の数を数えるものはいただろうか?それならば、その扉は合計9つあることが確認できただろう。
やがて、その一つが音もなく開き
「・・・ウ、ぁ・・・・」
ふらりと中から傷だらけの男が出てくる。
40代くらいの白人男性に見えるその人間は、特に首からの出血が酷いが両腕を切断され腹の肉も抉れている。
声にもならない呻きを上げながら君たちに歩み寄るだろう。
瞬間、
ド サ リ
その体がふらついた拍子にその頭がだらりと横に曲がった。
どうやら首はとうに千切れていて、皮一枚でつながっているよう。
その頭、本来なら頚椎が覗くであろう位置には不可解な金の輝き。
近寄り取り出すものがいたのなら、赤く染まったそれが鍵の形を模していることに気付くだろう。
それから、死体の白い衣服の下、背に覗く赤い文字に気付くものもいただろうか?
(#0) 2016/02/23(Tue) 11時頃