― 船長室 ―
[船長以下、艦首エリアに籠っている乗員達が船長室に集まっている。
その表情は一様に暗い。
最初に声を発したのは、やはりエスペラントだった。]
知っての通り先程、数日前に立ち寄った宇宙港から連絡があった。
発見された"宇宙クラゲ"の痕跡を辿ったところ、この船に乗り込んでいる可能性が高いとのことだ。
……可能性、とあちらは言っていたが。口ぶりからしてほぼ確実だろう。
2体、だそうだ。
[ため息をつくように、培養液に浸かった目玉が俯く。]
既に次の補給先の宇宙港にも連絡がいっている。
到着したらすぐに乗員乗客全員の検査を行うそうだ。
問答無用で撃墜される可能性も考えていたが、次の目的地が人道を重んじる星で助かった。
あちらに着けば"宇宙クラゲ"は検査で発見され、寄生されていないことが証明された者達は旅を続けることができるだろう。
(#0) 2020/08/25(Tue) 00時半頃