─ 夜 ─
あれ?スージーの勝ちか。
へえ…おめでとうっス!
やっぱり人狼にも、年齢ってあるものなんスかねえ。
[夜半。人狼らの競争に聞こえた声>>*0に、ピスティオは暢気にそんな台詞を返している。それは可愛がってた弟分の死を知らせる言葉だったけど。でも、声はそれに乱れる風を見せなかった。
寂しいとは思う。ちょっと悲しいなとも思う。可哀そうにも思う。けれど自分は悪くない。自分のせいじゃない。仕方ない、仕方なかった。
………「狂人」と。結社に称される青年の精神構造の特殊さは、もしかしたらこの過剰なほどの自己弁護と自己肯定にあるのかも知れなかった。自分のせいじゃない、仕方ない。だって生きるために必要なんだから、と。
結局のところ、どこまでも自己本位である精神は、弟分の死に己の責任を問うことを放棄している。]
(*19) 2018/07/30(Mon) 00時半頃