ケイイチ様…っ、あ"ぁ"…っ いっぱい出しっ、…て、くださ…… 私の中に、お情けを、下さ………――
[凶刃が振り下ろされる度に、少女は微笑んでいた。なぜなら、目の前の男があまりにも気持ちよさそうで、あまりにも楽しそうだったから。
『可愛い』と『大好き』と『愛してる』をくれた彼になら、少女はいくらでもその身を捧げようと。]
――ケイ……イチ……さ――。
[やがて彼の精が放たれたと感じたのと同じ頃。少女の舞台は再び暗転した。
そしてまた目覚めれば、男の意地悪そうな顔と、どこも怪我をしていない自分の体を見つける。この時に初めて、自分が死ねない体であることを知ったが、その時には悲しみよりも喜びが勝ったようだ。]
ああ……ケイイチ様……
私のことを、もっともっと愛して下さいますか……?
[男に手を伸ばし、またキスをねだる。自ら腰を揺らして、彼のナイフを持つ手に自らも手を添えた。
今の少女にとってはそれだけで十分。
妬む心も、他人の不幸を願うことも、『愛されたい』という願望の前では鳴りを潜める。少女は喜んで、犯されて、殺されたことだろう。
そう、彼女は日曜日生まれの子。愛されることに喜びを感じるのだ。]
(*16) 2016/02/28(Sun) 19時半頃