──廃病院・地下──>>73
[>>73肩に手が置かれると、お返しのように亀吉の頭に手が伸びて、白の髪を梳いた。美しい瞳が曇っていくのを満足げに眺めながら唾液を啜る。
口づけを止めた後も従順に動く身体に、愉しげに笑う。
十年も同じ仇を狙い続ける執着心と強靱な精神力が、わずか数時間の身体の蹂躙によって脅かされる。
そのさまが、とても愛おしい]
そう急かさなくても。
言われた通りに出来る良い子には、ちゃんとあげますよ。
[>>74強請る声に、ゆっくりと近づき。
腕の届く範囲に至る直前、立ち止まる]
……初めてでしょうから、ずり落ちないように固定しましょうか。
[ぬちゃりと、粘着質な音が響く。
壁と床から細い触手が勢い良く飛び出して、亀吉の両手と腰に巻き付いた。
彼の薙刀ならば撫でるだけで切れそうな、しかし素の膂力だけでは振り解けない力で拘束する。
ぎちりと白い肌を締める音が聞こえた後、歩みを再開して]
(*10) fortmorst 2016/06/20(Mon) 00時半頃