──中央ホール>>*7──
……あ……、欲しい、のは……、
[ふ、と脳裏を過ぎる、実家でのクリスマスの一幕。
弟と自分を足した数のプレゼントが根本に積まれている。
毎年、クリスマスにそこから好きなものを選ぶのだけれど、ピッパの分だけはリボンの色が違っていた。
一人だけ女性だから、最初から決まっていたプレゼント。
楽しそうに、時に喧嘩をしながらプレゼントを選ぶ弟達のことが、少し羨ましかった。
賑々しくラッピングされたプレゼントの中から、どれにしようか選ぶその時間は、きっと最高に楽しいに違いないのだから。]
あたしが、欲しいのは
プレゼントの集まる、おおきなツリー……。
[聞こえた問いに、思い描いたそのままを口にする。
プレゼントとは、甘い快楽に溺れる客人達。
この屋敷は、プレゼントの集まるツリーのようなもの。]
(*8) hana 2012/12/17(Mon) 01時半頃