っふ、ぅ、…………
[先走りでさえ、くらくらする。
溢れる端から舐め取っては、舌で転がしてから飲み込む。
零れていくそれが勿体無いなんて、直円以外にはリツにしか感じないことだ。
リツは、己を快くは思っていない。
故に、真正面から頼んだところで断られるのがオチだと知っている。だからこその問答無用の搦め手であり、こんなことをする程度には己はリツのことを好いているのだと、伝わる日は恐らく来ないだろう。
今、リツには兄であるキルロイも、父親代わりであったJもいる。
きっと、己に意識を裂く必要性など、何処にもないのだ。]
――――…………。
[くだらないことを考えていれば、キカにそれを悟られかねない。
十分にリツの熱が張り詰めたのを見計らい、唇を離して腰を上げる。十分に解した、とは言い難いが、多少痛んだところで構いはしない。]
(*2) nico 2016/06/18(Sat) 18時半頃