[不意に男が声を荒げた。
何かと思えば、少年が触手を噛んだようで、床に捨てられた触手の先端が跳ねている。
しばらく観察していると、やがて触手は力を失い動かなくなった。
この個体では、母体から離れた部位は活動を停止するらしい。]
『先生の……この、っ、人でなし!』
……やれ。手伝うと言ったのは君達だろう。
助手としての務めを果たしてもらわなければ困る。
[レオナルドの声は少年に届いていただろうか。
聞こえていたとしても反応する事はもう難しいだろう。
噛み千切られ、体液を溢れさせていた断面は丸く盛り上がると新たな触手を生やした。
少年の口に捩じ込み直された触手の数は三本に増え、下肢を責める動きは執拗なものへと変化していく。
触手から出る分泌物を口端から零しながら身悶える姿をしばし見つめ、触手の変化について記した。*]
(*2) 2016/12/07(Wed) 00時頃