[人間人狼関わりなく、建前なんてあって然るべきだ。
ましてや人狼なんか、仲間意識が多少あったって、いつ畜生としての気質が爆発して何が起こるともわからない。
正直は美徳だが、それをルパートは重んじなかった。
ハナから正直に過ごす気などなかったのである。
外に出るのが叶うかもしれない。
今夜ピスティオとの約束に従ってパティを殺し、ラルフを結社に突き出す。
そうすれば、大半が人狼と狂人だ。
人間に制止されることはなくなる。
けれどどうにも見慣れた宿屋の扉を見て、外に出るイメージが湧いてはこなかった。
たとえばこの地に住むのはもう無理だとして、人狼としてこれから別の土地でまた人を騙し食らうことになるのだろうか?
次はどんな仕事をしようか。どんな場所へいこうか。
そう考えることに現実感がない。
人を一から騙し直すのが億劫なせい?]
(*1) gekonra 2018/08/04(Sat) 20時半頃