―真実―
[10年前の治験で齎されたもの。それは、男の異常な体質だけではない。
男の体には、ある種のB細胞>>0:401が形成されていた。
それは、有害な新薬を排出する抗体を生み出す型。
そしてその劇薬は……おそらく、今回のウイルスに近似する要素を持っていたのだろう。
体は徐々に死滅しつつも、抗体はウイルスの侵攻を一部食い止め、現在の男の状態を保て続けている。
では、仮にバイアル>>40に込められた希釈薬を摂取したならばどうなるのか。
濃度が薄いため、効果がどこまで出るかは疑わしいのだが……。
おそらく、ウイルスに感染したとしても、体内で作成されるであろう抗体により、男のように一定程度、症状を緩和させることが可能かもしれない。
もっとも、所詮はウイルスに特効性があるわけではない、新薬向けの抗体。
今は保てている男の理性も、どこまで持つかは分からない>>*0けれど**]
―真実・了―
(*1) 2011/12/03(Sat) 04時頃