(続き)
その子はすくすくと育ち、5歳の誕生日を迎えました。
その時事件は起こったのです。
その子は親に聞きました。
「ねぇパパ、ママ。いつも飲んでいるあの赤いジュース。直接飲んでみたい。だけどね。私にはママみたいな牙持ってないよ?どうやったら飲めるの?」
二人は答えることはできませんでした。
やがてその子は親と自分を比べ、自分がどんな存在なのか疑問を覚えるようになり、同時に母親の歯形である綺麗な丸に惹かれました。
そして二人に問いました。
「私は何なの?どうして私はママのような綺麗な丸を作れないの?」
二人は答えることはできませんでした。
その晩、子どもは家を出、我が主の所へ行き、家に帰ることはありませんでした。そしてその事も忘れ幸せに我が主のもと暮らしてたとさ。
こんなことだよ。
[…は話し終えると、リーの方に目を向けた。]
忘れるってのは厄介で残酷なものなんだね?
(@140) 2014/11/02(Sun) 01時半頃