―現在―
[意識が浮揚して漸く自身が眠るように気絶していたことに気付いた。
ふと記憶を遡った先に残る顔を浮かべながら暫し回想に耽る。
命を吸い取った相手そのものを愛でる娘一人>>7
もう一人現れた娘>>8が逃げ去るようにその場を後にする様を見届ける者>>13一人。
対話を耳にしながもこじ開いた祭壇の合間に死体を飾る姿>>35には露骨に顔を顰めたことを覚えている。]
――…こりゃァ、本当に手が足りるかね。
[無残な姿となった礼拝堂へと視線を向ける。
使用人でかたが付きそうにないのなら、言葉通り猫の手でも借りたいくらいだと、赤毛の狩人を眺めながらぼんやりと思う。
血で染まった黒のワンピース>>7を纏った少女の一連の仕草は何処か葬式を思わせ、神聖な場所で行われるようなものに見えて我が目を疑ったのだったか。
(花でもあれば葬式か。………いや、どちらかと言えば献花する方じゃァないだろうが。)
断ち切るようにして遮断した視界はそのまま男の意識を奪うのに容易だったらしい。
時間経過のよく分からないここでも、鏡に照らし出された館内の様子からまた一日が過ぎたことを知ったのだった。]*
(@93) 2014/11/14(Fri) 13時頃