[その代わりに、ミナカタの肩を掴んで。]
……こっち、向け。
[ずるりと性器を引き抜いてから、彼の身体を反転させる。
どろどろに汚れた泣き顔を見ることが叶えば、深く歯形を残した箇所に舌を這わせて、肌を呼気で濡らす。
絶頂を迎え、苛む熱は引き潮のように去っていく。それでも理性の剥がれた先、全てを憎む心を彼に晒した事実は変わらないし、得た高揚も同様に。
「リリィ」の稼動するモーター音が、やけに大きく聞こえる。
未だに泣き濡れていたとしても構わずに、フランクはミナカタに顔を近づける。キスを求めるように、彼の下唇を舐めて。]
もっと毒を食わせろ。
そしたら、次は優しく抱いてやるよ。
……百合にしてたみたいに、な。
[告げる言葉にも表情にも、先程までの高揚はない。
幾多の「目」は再び肌の下へと姿を消していた。
ただ暗い色を宿した二つの目が、じっと、ミナカタを見つめている。**]
(@53) 2018/03/04(Sun) 20時頃