[泣かなくなったことに理由などなかった。
ただ、自分の中で泣くことはただの負けだと思うようになったし、泣いても結局何も変わらないと気づいただけの事。
だから、どれだけ喧嘩しようが、冷戦を敷こうが兄はやっぱり自分の中で絶対だった。
自分と一番近い遺伝子を持つ存在。
だから、こんなにもその存在に飢えて仕方ないのだと今だからわかる]
…ぁ、っ つ
[無理くりと怒られても仕方ない衝動と共に押し入った中のなんて熱いことか。
どろどろに溶けて、柔らかくて、まるで融けたチョコのようだ。
兄の見せる表情が新鮮で、堪らなくて唇を開放して、それでもやはりまた唇が欲しくなって貪るように喰らってしまうのだから、なんて質の悪いことか]
…平気?苦しくない?
[我慢強い兄の事を思えばこんな状態でも無理をさせたくなくて。
少し体温の低い掌で頬の稜線を少し撫で]
(@52) azumi 2016/06/22(Wed) 01時半頃