……あぁ、そうだ。子宮を作るのもいいかもなぁ。
百合の卵子を固体させる母胎が欲しかったし、
お前のガタイなら、出産ぐらい出来そうだし。
[百合、という名に、彼は心当たりがあるだろう。
先日亡くなった、フランクの妻の名だ。
死んだ身体に卵子などあるわけもなし、それでもフランクは構わずに、さも楽しげに口元を緩める。
髪を撫でる手つきだけは、始終、優しいまま。]
なぁ……こっちに来いよ、ケヴィン。
モニターの中のお前は素直だろ?
なのに、なんで今のお前は我慢してるわけ?
そんな必要、どこにもねぇのに。
[――もし彼が十全の状態であれば、囁くフランクの声に幾らかの力が宿っていたことに気付けただろう。
それはごく微弱な、所謂洗脳の電波と言えるもの。
彼の『正しいあり方』を刷り込むのにわざわざ時間を掛けようとするのは、勿論、自身が楽しむため。*]
(@49) 2018/02/20(Tue) 19時半頃