[顔を上げたところで視線は交わらない。
熱烈な視線は下界で蠢く魂達に夢中のご様子だ。
黙したまま、手にしていた端末を彼女へと向ける]
『その基準の可能性は十分ワンチャンあると思うけど、
仮にその基準で連れてこられた女の子がいたら、わりと可哀相な気がするのは俺だけカナー???』
[口は横一文字に引き結んだまま開かない。
その代わり、向けた端末からやけに陽気な男の、機械染みたノイズ交じりの声が彼女に答えている。
指で文字を打ち込むこともなく、ただ手にしているだけで男の言葉を代弁していた――サイキックによる現象の、ほんの一端である]
『オーレリアは今回も戦闘服キマってるねぇ、500イイネ!』
『相変わらずフレンド申請にお熱なようで何よりだけど』
『良いフレンド見つかるといいね?』
[何の躊躇いもなく空中ダイブする彼女をお見送り。
彼女もまた新しいソシャゲを始めれば食いついてくれる一人だが、課金兵にはならずともそれなりに頻繁なログインを繰り返してくれているようで好感が持てる。
そのうち推しが出来れば変わるかもしれないとは思うが、魂達に向けるあの恍惚な眼差しに、まだ遠い未来だろうと確信]
(@45) 2017/06/09(Fri) 21時頃