[肌の下がぞわぞわと粟立つ。
その感覚に逆らわず、フランクは数多の「目」を肌の上に露出させた。
その全てが敵意と憎しみを込めるようにミナカタを見る。
フランクの憎しみは元来、人間へと向かうものだ。
それは大事な存在を奪ったものへ対する怨嗟と復讐心を燃料としている。
だというのに今、ミナカタを見る目にはそれと異なる憎しみがある。
或いは、嫉妬や独占欲と言い換えることも出来るだろう。
「魔」としてフランクが存在している理由が歪む。
それを自覚すればこそ、不快感はいや増すばかりで。]
……あんたの所為だ。
[ミナカタが頬を強かに殴られた痛みに呻こうが、また別のリアクションを取ろうが、構うことなく距離を詰め、乱暴に唇を重ねる。
毒を食らわば皿までも。
潔さの奥にあるものが何であるかを知るのは、フランク自身のみ。**]
(@36) 2018/03/04(Sun) 01時頃