― 廃病院・藤之助の私室 ―
[ケヴィンの足であれば、藤之助の私室に辿り着くにもそう時間は掛からない。
フランクが何もせずともケヴィンが扉を開け、そのままの勢いで部屋の中へと踏み込んでいく。
まずは一発、ケヴィンが藤之助を殴るなら、それを見届けるつもりでいた。
しかし、床に何が広がっているのか、つるり、とケヴィンの足が滑る。
同時にフランクを抱える体勢も崩れ――]
あでっ
[べしゃ、と床に尻餅をつく格好で放り出された。
それから、室内を見回す。
割れたモニター。赤い手。潮の匂いがする。ぬるついているのは、何かの粘液だろうか。
滑る粘液の上で体勢を整え、よろよろと立ち上がる。
強かに打ちつけた所為で痛む尻を撫でながら、>>124藤之助の言葉に耳を傾けていた。]
(@34) nico 2018/03/07(Wed) 00時半頃