156 王立勇者養成学校【飛び入り様募集中】


【見】 調律師 ミケ

―過去回想―

[隊長と共に任に就いた、辺境の魔物討伐中のある晩のこと。
作戦会議を終えて散会し、広いテントに隊長と二人になったことがあった。
その時、彼は唐突に]

 「なあ、お前は魔族との混血だからだという噂だが…本当か?」

[そう、聞かれたのだ。
年齢にそぐわぬ実力を持ち、次期隊長と言われていることを妬む者も多い。
噂はそんな連中が囁いていたのは知っていたが…知らぬふりをしていた]

 ………はい。

 「そうか……わかった。変なことを聞いてすまなかったな。
  次の隊長はお前に託すと決めている、今後も変わらず励めよ」

[混血であることを認めた自分を次代に指名するといい、彼は笑った。
その晩は任が重すぎるとだけ答えてその場を辞したが、困惑は消えない。
騎士隊を退団したのは、討伐任務を無事終えてから間もなくだった]

(@32) 2015/04/23(Thu) 14時半頃

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