[>>+24無遠慮に人の傷に踏み込んだかと思えば、浅いところで踏み止まる。
わざわざ会いたがるというのだから、激情の一つでも向けられるのかとも想像したが、どうやら数年前のことを本格的に責める気はないらしい。
詰られても罵られても悪いのは人の側である、と言葉を重ねる面倒は回避できた。
だとしても、これまでのことをフランクの境遇を、欠片ですら喜ぶような素振りは理解できない。
>>+25それでも遊びを口にしたのは、単なる社交辞令に近いものだ。
実際に人の形をしている彼に触る気は起きない。
それどころか今はどこか、フランクの知る頃よりも剣呑とした雰囲気を纏わせている。
――如何に解放的な見た目であれ、誘われるより警戒が勝る。]
…………一本だけだからな。
[渋い顔のまま、それでも自分から距離を詰めたのは、かつて自分の話を聞いてくれた彼への手向けに近い。
「魔」に飲まれ、人間であることを捨てた男への線香の代わり。
>>+27今ここにいるのは自分の知る「ミナカタ」ではないのだと、その動作が示す。]
(@28) 2018/03/04(Sun) 00時半頃