……!?
[唐突に、視界に白い触手が映る。フランクの本来の目へと迫るそれを、咄嗟にはたき落とそうとして――しかし、それは止まる。
頭を撫でた後、ゆがてリリィの残骸に落書きを落とすそれに、しばし目を見張っていたが]
……なんなんだよ!!
[大きな声が部屋に響く。
男はめったに怒らない。怒る理由を持つほど、物事を深く考えないからだ。
けれど例外はある。友人が無下に傷つけられることほど、はらわたが煮えくりかえることはない。
藤之助のフランクを呼ぶ声が届いていなくとも、この病院で触手を扱う者は男の他にただ一人で、推測は容易だ。
行動の理由は分からずとも、現に傷ついているフランクと、奪われそうになった眼球がある。何より――リリィの前に描かれた落書きは、彼女を愚弄しているように見えた。
決断するには、それで充分だった]
(@22) fortmorst 2018/03/06(Tue) 15時半頃