[>>38名前を呼ぶ声は聞こえていた。
それでもフランクは顔を上げない。
そう、>>39見たくないからだ。>>40これより多くを見て何を求めろというのだろう。
もう十二分に求めて、尚も届かずにいるのに。]
ケヴィン。
お前だけは連れてってやるよ。
俺がどこに行くのでも、連れてく。
拒否権はねぇし、それに
…………拒否したら、殺す。
[長く続く沈黙は、迂闊な言葉を飲み込む間だった。
落ち着くだとか、泣きそうだとか、甘えの滲むものを上手く口に出せるようには出来ていない。
フランクが宿すものはどこまでも「憎しみ」と「怒り」ばかり。それは果てどもなく心を焼き、歪ませて、壊すためのものだ。
――それでもケヴィンは受け入れるのだと無条件に信じて、甘えている。
胸元に顔を押し付ける姿勢のまま、草履の足音が遠のくまで、フランクは身じろぎもしない。**]
(@14) nico 2018/03/06(Tue) 00時半頃