[ここは藤之助の私室だ。
つまり、あらゆる箇所から取り上げた情報が集積されている場所でもある。
服も着ないまま、フランクは壁際の機械類に歩み寄る。
無造作に垂れ下がるジャックの一本を自らのこめかみに差し、幾らかの操作を経れば、情報は直接脳へと運ばれる。
フランク自身はミケとつながりが強いわけではない。
技師として、彼の特異な体質に沿った制服の製造、戦闘スタイルに合わせた武器の提言、及び開発を請け負っていたのが主な関係だ。他にも機械操作が必要な折々には呼び出されることもあったが。
対魔組織の本部の乱交、それからミケが運ばれた部屋。
交わされる会話の逐一を把握して――む、と眉を寄せたのは、その一節。]
…………。
[丁寧に折りたたまれ、まとまっている衣服を広げ、身にまとう。
布地に残るのはズボンに付着したケヴィンの血の跡だけだ。
靴下も片方なくしてはいるが、フランク自身、元々服装に頓着する性質ではない。
最後に、服の上に置かれていた眼鏡をかければ、見た目は普段通りのフランクだ。しかし後孔には藤之助が吐き出したものを、残したまま]
(@13) 2018/02/25(Sun) 12時頃