―― 第二の被害者 ――
[アイリスは走っていた。
兄の結婚の為に――。
いや結婚どころの話ではない。ケイ兄の留年の危機である。
――留年。ケイ兄は既に、留年は確定した――と何かを悟っていたような気がしたけれど。
アイリスなりに、どうにか留年は何とか避けられないか、とひそかに教授に相談したり。ケイ兄の正しさを看板をもって訴えたり(逆効果)
ケイ兄の身の回りのことで手伝えることは無いかと全力で手伝っていた。
そんな最中――。
走ってしまった。前方不注意だ。今日ばかりは兄の結婚がかかっている(とアイリスは心配しているだけ。)為に――。]
・・・えっ!?・・・あー!
[アイリスは、単純な女であった。
買い物を、背負ったままで、バナナの皮ですべって行った。
特に怪我はなかったらしいが、ケイ兄(とフィリップ先輩への)差し入れであった食べ物が駄目になったようだ。]
(@10) Beast 2015/03/14(Sat) 01時半頃