[クリスと何とかさん、と聞こえたのに、人はひとりしかいませんでした。
深い色をした瞳の周りは、人間と何も変わりありません。でも、厳しそうな顔の下半分くらいは、硬そうな鱗に覆われています。
どうやらマリオに声をかけたわけではないようで、お兄さんの方を眺めています。
ぱちり、と瞬きひとつ。
ため息をつくように大きく息を吐いて、そして思い切り吸い込んで。]
わぁぁっ!ドラゴンだぁっ!
[大歓声。マリオの声は、そうとしか言い表せないでしょう。
これ以上ないくらいに、感動と興奮に顔全体を輝かせて、クリスと何とかさんという男の人を見つめます。
正確にはドラゴンではなくドラゴニュート、もしくはリザードマンなのですが。そんなことは、マリオにはどうでもいいのでした。]
すっごーい!初めて見た!
かっこいい!!
[ただ思ったことを言葉にして、頬を真っ赤に染めています。
ひとつのことに心を捉われると、他のことは目に入らなくなってしまうのは、マリオの悪い癖でした。この年頃の男の子なんて、みんな大体そんなものなのですけれど。*]
(@6) 2015/01/12(Mon) 14時半頃