[息を潜め、瞬きすることも忘れて。
穴が開きそうなほど、ふたりの男の人を見つめていたマリオですが、その片方が動いた>>50のに気づいてビクッと肩を震わせました。
別に悪いことをしているわけではないし、彼を怒らせた覚えもないのですけれど。こちらにまっすぐ向かってくる男の人は、何だかぴりぴりしているようにも見えて、彼から目が外せません。]
……なぁに、お兄さん?
[そうこうするうちに、男の人はマリオの目の前まで来たでしょうか。
真っ黒な髪と、褐色の肌。
変わった耳も羽も尻尾も見当たらないその姿は、ぱっと見ると、自分と同じ人間に見えます。
ただ、真っ赤な眼に見つめられると、不思議と小さな身体は竦んでしまいそうになるのです。
辛うじて搾り出した声は、とても小さかったでしょう。
けれど真っ直ぐに男の人を見つめて、問いかけました。]
(@2) 2015/01/11(Sun) 21時頃