――数年前―― ……こりゃあ、やべぇな。[通路に詰まる蛸のような太い触手の群れ。 先行していた部隊は、壁一面の同じ触手に取り込まれている。 そんな状況を見て、男は小さく息をつく。あまり緊張感なく、落ち着いた所作][「魔」の拠点を攻める大規模な作戦。それが失敗したのだ。 襲撃を察知した魔性の者どもが罠を張り、部隊の大半は囚われてしまった] 一平太、お前たちは撤退しろ。 俺の部隊だけで食い止めるから、振り向かずに真っ直ぐ帰れ。[傍らにいた青年に声をかけた。 その視線には、教え子に対する信頼が宿る]
(@1) 2018/02/19(Mon) 07時半頃