―研究ルーム―
[CLUB【_Ground】内、寮よりも更に奥。
マジックミラーの張られていない、その研究ルームに響いたのは小さな金属音であった。
古びた鎖がちょっとした反動で切れたのだろう。
男の首から落ちたその貴金属が、床に寝転がっていた。]
ったく。
[伸びた髪を掻き回せば、乾燥した擬音が聞こえる。
指先はそのまま床へと降り、転がる銀色のそれを指先に掬い上げた。
手早く鎖を直してしまえば、男はその貴金属を首へと掛けた。
黒の縁に囲われたガラス板には膨大な量の文字が映っている。
男が向かうパソコンにこの研究所内の“商品”のデータが並び、それが反射したのだ。]
今回は、UGグループね。
[データを抽出する間、咥えたままの煙草が少しずつ室内を煙で満たしていく。
机の上の灰皿には、仕事中に無残にも押し潰された吸殻が山のように積もっていた。]
(@1) 2013/12/15(Sun) 02時半頃