ここのぬしは変わらず役目を果たしているか?
……上が、次はアレが何かしでかすのではないかと思っているらしくてな。
[森の奥にある二階建ての館の、尖塔型のアーチに嵌る重厚な鉄扉を開けて、サイモンはそう問いかける。
空間を駆ける役目のある翼はもう必要もなく、いつの間にかそれは背中から消えていた。
わずかに険しい表情を浮かべながら館のエントランスを見回すサイモンを、出迎える者はいただろうか。
いてもいなくても、この館に踏み入れた瞬間にここの主と棲む者に己の存在、声を把握されている事は知っている。
他の場所も、そういうシステムを取っているから。
だからサイモンは誰かいてもいなくても、声高らかに告げる。]
監視の為、暫くここに滞在させてもらう。これは、上の意思だ。拒否権はないぞ。
(@0) 2014/07/08(Tue) 01時頃