―いつか・森―[ライマーの里近くにある森に、一人の少女が立っていた。栗色の髪と瞳。白い花柄模様の着物を纏った。髪の短い少女だった。その手に握られているのは、薄桃色の薙刀。刃にまで桜の模様が描かれた美しいものだった。修行がてらに入った森。>>-1939警戒しながら道を進んでいると、妙な気配を感じて刃と上に向けて、下方向からの初撃の構え。懐を一度だけ撫でる。生まれた時になぜか握っていたと言う栞が、そこにあった。] 誰か、いるの?[意を決して、気配に声を掛ける。涼やかで、だけど少女にしては少し低い声が響いた。]
(-1945) kasuga 2013/05/21(Tue) 23時頃