この肌に触れるのも、この声を聞くのも。
こんな風に、撫でて貰えるのも、俺だけだって。
[亀頭が深い場所を行き来し、腸壁に教える低速の蠕動。質量を有耶無耶にさせず、性器に浮きあがる血管の一筋まで優秀な彼に教えこんでゆく。
撫でて、と比喩を置いたところで、性器裏の隆起を熱杭が遡り、指で覚えた凝りを転がす。擦り、擦り、と犬が主人に鼻先懐かせるように。]
俺は全部すきです。
許して貰えることも、呆れられるのも。
―――…マティアスさんがくれる、全てが。
[少し深くへ、少し強く腰を進めれば、密着した胸板同士が擦れ合った。ぷくりと芯の通った乳嘴も触れ合うが、末端での快楽を知らぬ身は少し照れくさそうに笑気を噛むだけ。
けれども、彼の唇から吐息以外が零れるなら、試すように胸板を重ねて淫らな愛撫を施そうか。
彼の肉体が覚えている、全ての快楽を我が身で塗り替えたくて。]
(-1160) momoten 2019/08/11(Sun) 01時頃