【独】 弁務官 ジャーディン

　……そんなに、見たいの？
　なら、このカフス、はずしてくれる？

［不器用だから苦手なんだと、素っ気なく差し出した。
両袖のカフスは、瞳と同じ血のような赤い色。
じっとしているのも手持ち無沙汰で、
君の鼓膜にふっと息を吹き込んだら、怒られたかな］

　タイはまあ、自分で外せるよ。
　手の届くところにおいといて、後で使うかもしれないし。

［するりと衣擦れの音がする。この音が好きだ。
これから起こるなにかに期待してしまうなんて。
ひどい教育をされてしまった。そう、私は君の犬だ。

ゆっくりとボタンを外していくのは、
別に勿体ぶってるわけじゃない。ほんの少し肌寒くて、
ほんの少しだけ熱いから。
白いシャツは案外、呆気なく床に落ちて以下略］

(-1037) sen-jyu 2019/10/26(Sat) 18時半頃