― IF:3日目:コーネリアの寝台の中で ―
[ベネデットの肩に近い部分に頭を預ける程彼の身体に寄り、其の体温、其の温もりを静かに噛み締める。
自分の中で、どうしようもなくゆっくりと膨れあがる欲情を必死に抑えようと、其れに気付かれまいと、腹に力を入れ、息を殺すように呼吸をする。
しかし、徐々に胸の苦しさは増し、其の口から吐き出される息は甘く、少し荒いものへと。
嗚呼、駄目―――…。
呪文のように、戒めのように心の中で何度も唱えるが、僅かに上下するベネデットの胸郭の動きを目にした途端、唐突に糸が切れた。
ベネデットに気付かれないよう、ゆっくり身を起こすと、四肢に力を入れ、なるべく彼の身体に触れないように彼の顔を上から覗き込む。
顔を覗けば堪らなくなり、右手で彼の頬に手を添える。かかる銀の糸。]
―――…ごめんなさい。
[小さく震える声で懺悔し、彼の唇にそっと口付ける。
口の中で彼の下唇にゆっくりと舌先を這わせた後に、優しく其の下唇を吸った。]
(-991) みう 2011/02/17(Thu) 02時頃