[今朝切ったばかりの丸い爪は柔らかい粘膜を傷つけることなく、微かな刺激だけを撒いていく。指一本が角度を変え、第二関節から進める前に、ずるりと勿体ぶって退き、指を百合香で潤して戻る。
繰り返す前戯は、確かにお互いの肉体に火を灯すのに、盛るのではなく炙る熱量。――― 己のジーンズの中で窮屈そうに漲る屹立だけは、性急な快楽を訴えているが。ともあれ。]
…………、
[意地悪な大人の問いに、グ、と眉尻が落ちかけ、墜落寸でで持ち直す。彼に撫でられていなければ危うかった。>>-610]
思い出すのは良いです。
重ねるのは嫌です。
でも ―――、
[彼の中で指が閃き、中指が人差し指を食む縁に触れ。
微かな段差を慈しみ、先達に添わせて二本目を増やし、這うように遡らせていく。]
(-727) momoten 2019/08/09(Fri) 22時頃