[一瞬のホワイトアウト、薄い胸が乱れる呼吸に上下する。
名を呼ぶ声を意識をした、それは少しいつもとは違って聞こえて、
指の隙間からその顔を覗こうとして、簡単に抱き起こされた。
気づかなかった些細な違い、
今は意識すれば、ひどくパルスが早くなって、苦しい]
お兄ちゃん……、
[膝の上、触れる熱。知らないこと、
熱くて、どこか怖い。悪いこと、いけないこと。
禁忌がある、と確かに思考が囁くのに、でも、この胸の中のバグは]
……おしえて、ほしい の。
[手を取られれば、蒼い瞳が見つめてる、
小さな怯えと、大事なものを失くしてしまうようなそんな切なさと、
でも抑えきれない衝動が、その双眸を濡れて、潤ませる。
キスは、もう飽和させるだけのものではなくて、たしかにそこに甘い陶酔を感じ始めていた]
(-488) sen-jyu 2011/08/02(Tue) 02時半頃