【独】 徒弟 グレッグ

[水の中でどれだけ想っても、水面の向こうには届かなくて。

いつも当たり前のようにしていた些細な事が。
伝える事のできなかった言葉が。
どれほど大切なものだったのか、気づいてももう遅くて。]

…うん。ここにいて。

[…ほんとうは、一緒に見届けたいけれど。
今はただ、この腕の中で安らいでくれていれば良いと思う。

せめて、この腕の中にいる人が消えてしまわないよう。
抱きついてくる存在を確かめるよう、離さないよう抱き返して。
水面の向こうをみつめていた。**]

(-413) sirono 2013/09/20(Fri) 00時半頃