[似ている、とはいえ、それは服飾に疎い魔王の感覚で。パフスリーブのシャツとワンピースドレスの組み合わせは全体的に見れば似ていないこともないけれど、それを基準にみけの長身でも着られるものを、と探し出してきたドレスの色合いは淡い空色を基調として要所要所を藍色のワンポイントが引き締め、裾を飾るのはフリルではなく豪奢な刺繍。
ひざ下まで長く伸びたスカートはスレンダーなラインで勇者の長身を引き立てている。
きらきらサラサラのプラチナブロンドが余りにそれっぽく、そのままで通用しちゃいそうだったので、横にぴんぴんっと立ち上がった癖毛をドレスに合わせた藍色のリボンで後ろに大きく結び目を作ってやった。
軽装のゆうしゃのよろいをそのまんま残して上からドレスを着せ付けてやった結果、ブレストプレートが胸部を押し上げ、軽く一見しただけだと胸があるように見える。
そんなわけで。細身の勇者の見た目は、そのまんま魔王の稚拙な手がドレスを着せ付けただけで、ぱっと見はまるで凛々しくも清楚な公女のようにも見えた]
(-327) 2012/10/26(Fri) 19時半頃